なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者への対応

2016年03月05日 | Weblog

 現在入院患者さんの最高齢は102歳女性。誤嚥性肺炎で入院して、抗菌薬投与で肺炎自体は軽快したが、食事摂取が難しかった。ST(聴覚言語療法士)が入って嚥下訓練をしていたが、誤嚥性肺炎が再発した。これもまた軽快したが、その後はSTから無理ですと言われた。とても胃瘻造設する気にはならないし、高カロリー輸液の適応もないと思われる。家族に病状を話して、末梢血管からの点滴を継続していたが、点滴も困難になった。500ml/日の点滴は200ml/日に減量していたが、皮下注に切り替えた。それから薬か月もっている。話しかけると目を開ける時もあるが、発語はない。もう少し行けそうだ。

 脳梗塞で入院した97歳女性は、これで4回目の脳梗塞になる。これまでは結構な範囲の脳梗塞だが、うまく急所を外したような部位だった。今回は右中大脳動脈領域に出たため、半身麻痺と嚥下障害が出た。ST介入で嚥下訓練をしたが、無理と判定された。試しに経鼻胃管で経管栄養を開始してみたが、少量入れただけで誤嚥性肺炎を起こしてしまった。くの字に曲がった身体に胃瘻造設を試みるのは躊躇われた。この方も家族と相談して、敵る範囲で点滴(500ml/日だが減量も考慮)して、点滴が困難になったら皮下注に切り替えることにした。

 誤嚥性肺炎で入院した87歳男性はパーキンソン症状で寝たきり状態だった。緑内障で失明している。元気な奥さんが福祉サービスを使って何とか在宅介護をしていた。肺炎は治ったが、この方も嚥下訓練をしても難しがった。ST介入のゼリーで痰からんで肺炎が再発する。まだ会話はできるし、体力はまだありそうだ。胃瘻造設による経管栄養を奥さんに勧めたが、やりたくないという。他の患者さんの経管栄養をみていて、夫(患者さん)とこれはしないことにしていたそうだ。栄養が入ればまだ生きられるし、栄養が入ることによって脳機能の改善もあること(可能性としては)を伝えが、本人も拒否してますということだった。看護師だった娘さんは、両親の判断に任せますという。といって、末梢の点滴1本にするのももったいない気がする。来週早々に高カロリー輸液にして、経過をみることにした。うまく馴染めば療養型病床に紹介することになる。

 

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