なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆嚢結石・急性胆嚢炎

2016年03月13日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。内科入院は4名。85歳男性は昨日からの食欲不振で、今朝は上腹部不快感があった。昨年末にも同様の症状で受診して、総胆管結石による閉塞性黄疸の診断で地域の基幹病院に紹介されている。総胆管ステント挿入の処置を受けて退院していた。

 今日の検査では血清ビリルビンは正常域で、肝機能検査は軽度の異常のみだった。腹部エコーと腹部造影CTで胆嚢内に多数の細かな結石があり、胆嚢管にもあった。総胆管拡張はなく、ステントはちゃんと機能している。ラパ胆の話が出たと思うが、総胆管の治療が終わると、そのままゲ家手術には回らず、いったん退院になる病院なので、何といわれて退院したかは家族も覚えていなかった。ラパ胆はできそうだが、この方はアルコール性肝硬変で軽度に食道静脈瘤もある。点滴と抗菌薬で経過をみて、明日外科と相談することにした。

 

 もう一人90歳男性は急な嘔吐で受診した。受診時は症状が軽快して、腹部所見もなかったので、年齢の割に元気だったこともあり、点滴とプリンペランで帰宅と思った。思ったが、点滴中に上腹部痛が出た。血液検査で肝機能障害と炎症反応上昇があった。腹部エコー・CTを行うと、胆嚢内に小結石が2個あり、debrisもあった。胆嚢壁肥厚は軽度だった。急性胆嚢炎・胆嚢結石で入院とした。

 昨夕からの右側腹部痛で87歳女性が受診した。結腸憩室炎を疑ったが、明らかな上行結腸憩室炎・虫垂炎はなく、結腸内の糞便が目立った。便秘だけ? それよりも、肝右葉を占める腫瘤に驚いた。腫瘍マーカーを提出してみると、AFPが測定できないくらい上昇していた。肝炎はない。画像診断だけだが、肝細胞癌だった。腹痛自体は治まっていたが、経過をみるため入院とした。

 救急車で搬入されたのは65歳女性で、朝起床時からの回転性めまいだった。BPPVでよいと思われ、入院になった中では一番軽度だった。インフルエンザの患者さんは相変わらず多い。

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