昨日の当直帯で外来に糖尿病で通院している59歳男性が高熱で入院した。この方は数年前に、脳梗塞のリハビリのために当院神経内科に転院してきた。血糖コントロールが悪く、神経内科医からの依頼で糖尿病の治療を開始した。インスリン強化療法を行って、血糖が改善して、最終的には内服薬の組み合わせてよくなった。
退院御は増悪と軽快を繰り返して、インスリン強化療法に戻してHBA1cが6%台になっていた。昨年末から外来でインスリンはまだ残っていますということが続いていた。あまり問い詰めると怒り出すので、腎症があるのでこのままいくと透析になる可能性が大きい(兄弟が透析をしている)とお話していた。A1cが上がってきて8%から10%になっていた。
一昨日に悪寒(戦慄?)があり、昨日から高熱になった。肺炎・尿路感染症は否定的で、嘔気と下痢があったことから感染性腸炎を疑ったが、左第一足趾と右第五足趾が黒色の壊死に陥っていた。第一母趾の基部に発赤・腫脹があり、発熱の原因になってもおかしくない。ノロウイルス迅速試験は陰性で、便培養を提出した。血液培養も2セット提出した。
抗菌薬をどこを感染巣をするかで迷ったが、昨夜の当直医がセフトリアキソンを点滴静注していて、今朝は解熱傾向があることから。セファゾリンで経過をみることにした。血管外科の先生に診てもらうと、足趾は切断せざるを得ないそうだ。爪を切ろうとして深く切って、出血が止まりにくいので自分で足趾に輪ゴムをかけていたという。