昨日、97歳男性が自宅で倒れているのを、訪問したヘルパーさんが発見して親戚に連絡がいった。甥夫婦が車で当院へ連れてきた。やせてはいるが、意識も低下している状態でよく連れてきたものだ。救急車を呼んでいいと思う。転倒して骨折したと思ったらしく、整形外科にかつぎ込んだ。外来では診れないので、すぐにストレッチャーに横にして救急室へ運んだ。骨折はなく、肺炎があったので内科に連絡がきた。
この方はひとり息子夫婦がすでに亡くなっていた。前回肺炎で入院した時は孫と二人暮らしと記載されていたが、戸籍上孫になっている男性は血縁上は甥にあたることが今回わかった。その男性は糖尿病があり、最近急性心筋梗塞になって心臓センターのある病院に入院していた。つまり一人暮らしになっていた。いつから倒れていたか正確にはわからないが、少なくとも半日は倒れていたことになる。長く見積もれば1日になる。
右下肺の肺炎はいいとして、筋原性酵素が著明に増加していた。CK9100(CK-MBは48)・AST190・LDH480で、血清クレアチニンが2.37と上昇していた(先月は0.74)。骨格筋(横紋筋)が大分ダメージを受けているようだ。血圧が70mmHgと低下していた。
補液と抗菌薬投与を慎重に行って経過を見るしかないが、側管から500ml5時間で追加すると血圧は上がってきた。今日は血圧100になって、尿量は800ml出ている。入院すると、看護師さんに細かく症状を訴えて、結構わがままぶりを発揮する方だった。案外軽快するのではと病棟の看護師さんと予想していたが、実際に回復しそうだ。