なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

パニック障害か

2016年03月02日 | Weblog

 昨日の昼過ぎに29歳男性が呼吸困難感で受診した。この方はトラックで神奈川県から青森県に向かっていた。運転手は別の方で、この患者さんは助手だった。体重90Kgでがっちりした筋肉質の身体だった。

 トラックは東北道を走っていたが、急に呼吸困難感(息を十分に吸えない)が起きた。動悸・発汗・頭重感もあるが、主には息を浅くしか吸えないという症状だった。トラックの窓を少し空けたが症状は変わらず、最寄りのサービスエリアで車を止めてもらって少し休んだ。また高速道を走り始めるとまた症状が起きたので、次のインターで降りた。当院は高速道から見えるところに立地しているので、あそこに病院があるということで受診したのだった。

 喘息発作かと思って、外来に診に行ったが、喘鳴はなかった。診察上は異常なしになる。症状はすでに落ち着いて違和感として残っているくらいだった。深呼吸してもらうと、「こんなに息が充分吸える」と驚いていた。念のため胸部X線撮影を行ったが、気胸などの異常はなかった。

 2~3年前から月に数回同様の症状が起きていたそうだ。特にどういう状況で起きるという傾向はない。自室にいる時になることもある。症状の持続時間は10分から30分くらいらしい。予期不安や広場恐怖はなさそうだった、訊き方が悪いのかもしれない。そのまま死ぬのではないかと思うかどうかは訊き忘れた。

 どうもこれはパニック発作らしいと思われた。心臓や肺の病気らしくないこと、精神的なものが疑われること(パニック障害と伝えたがどのくらいわかるだろうか)、症状はあっても命に別状ないことを説明した。まあ、胸部X線だけの検査で、言い切っていいかどうかだが。

 お守り代わりに、と言ってコンスタンを頓用で処方した。症状が続くときは、身体の病気が心配なら内科受診でもいいが、パニック障害と思われるので精神科クリニック(今時はメンタルクリニックか)を受診する方がいいと伝えた。無事に青森に着いたのだろうか。

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