内科外来(再来)を診ていると、救急当番をしていた神経内科医から連絡が来た。施設に入所している精神遅滞の61歳男性が、嘔吐が続いて搬入されたという。残っていた外来の3人を診て、救急室に行った。
昨日から食欲がなかったそうだが、嘔吐はしていなかった。早朝から嘔吐が始まり、そのうち吐物(ほとんど液体)がずず水様になった。腹痛はなく(訊いた限りでは)、下痢もなかった。胸腹部CTが撮られていて、消化管には有意な所見(CTで見る限り)はなかった。もともとは末梢血のHb11g/dlだが、今日は16g/dlに濃縮していた。TPも6.2g/dlから11.0g/dl(アルブミン6.9g/dl)に濃縮している。BUN60mg/dl・血清クレアチニン5.27mg/dlと上昇していた。
数日前から嘔吐が続いたわけではないが、10時間弱でこんなになるのだろうか(なっているが)。3時間で1000ml輸液して、病棟に上がる前に再検すると、Hb14.0になっていた。病棟に上がってからは尿も出始めた。血液検査データが改善したら、上部消化管内視鏡検査をしてみよう(検査に抵抗しなければ)。
当院の呼吸器外来に来てもらっている病院の呼吸器科から、小細胞肺癌の80歳男性が転院してきた。内科クリニックから当院の呼吸器科に右肺門部腫瘤(肺癌)で紹介された。そのまま自分の病院へ紹介したのだった。当院受診時から凝固系の異常と肝機能障害があり、気管支鏡検査で診断は付いたが、化学療法は無理と判断されて、緩和ケア(BSC)のみとなった。先週の金曜日に転院依頼の電話連絡が来たので、さっそく今日引き取った。1か月もたないと言われましたと奥さんが言っていた。すぐ当院で引き受けたことを感謝された。
後は、HbA1c13%の86歳男性が糖尿病教育入院となった。この方は食事が昼夕の2食で、昼前に起床して朝昼兼用の食事をとる。今日は病院で昼食前にインスリン注射をした。夕の血糖を見た時に、担当の看護師さんに、昼に打ちましたっけと言っていた。一人暮らしで施設に入所する気がないこの方をどう治療するか。