なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザに合併した肺炎

2016年03月03日 | Weblog

 36歳女性が昨日嘔吐・下痢・食欲不振で内科新患を受診した。この患者さんは先週の金曜日(5日前)に発熱・咳で内科新患(大学病院の応援医師担当)を受診した。インフルエンザ迅速試験でA型陽性と判明して、イナビル吸入とカロナール頓用の処方を受けた。すでに解熱して平熱から微熱程度になっている。咳は目立たなかった。

 内科の若い先生が診ていたが、嘔吐・下痢ということで、点滴をして血液検査を提出した。結果は白血球数9500・CRP15.1と思いがけなく高かった。腹部単純CTで腸管の状態をみたところ、中~下肺野も含まれるので、そこにスリガラス影・浸潤影が写っていて、肺炎と判明したのだった。胸部X線で右下肺にシルエットサイン陽性の淡い陰影を認め、両側肺に淡い斑状影が散在していた。

 この方は脂肪肝による肝機能障害もあった。相談された時に、胃腸炎症状・肝機能障害・肺炎ということで、レジオネラ?と思ってしまった。尿検査で肺炎球菌とレジオネラはいずれも陰性だった(否定はできないが)。喀痰は出だいので検査できなかったが、血液培養を2セット提出してもらった。

 インフルエンザによる肺炎のうち、純ウイルス性肺炎・ウイルス細菌混合性肺炎・続発性細菌性肺炎のどれに当たるのか。インフルエンザと診断して6日目に肺炎と判明した。肺炎発症はもっと前なので、前2者になるのだろうが、まあ混合性肺炎ということにした。抗菌薬をそうづるかだが、クラビット点滴静注にして経過をみることにした。

 昨日の午後に、感染管理のラウンドで地域の基幹病院から呼吸器科医が来ていたので、胸部X線とCTを見てもらった。インフルエンザウイルス感染に細菌性肺炎併発でいいと思うけどということだった。抗菌薬はと訊くと、まあそれで経過をみてよいという。両側肺に散在した斑状のスリガラス影はウイルス性で、一番目立つ右下は細菌性なのかと思ったりしたが、根拠はない。経過をみて悪化した時はよろしくとお願いしておいた。

コメント
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