なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

イーケプラ注射薬

2016年03月10日 | Weblog

 今日のお昼の製薬メーカー会社説明会は、抗てんかん薬のレベチラセタム(イーケプラ)だった。2015年12月からイーケプラ注射液が発売されている。小児科でてんかん重積発作の患者さん(20歳代だが、そのまま小児科管理)に使っていた。いつも必ず説明会に出ているが、興味のある製品とあまり興味がない製品がある。今日の説明会はぜひ聴きたい製品だった。

 イーケプラ経口剤の適応は、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)と、他のてんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法、とある。注射薬は、一時的に経口投与ができない患者における、という但し書きがつく。内科だと、ほとんどは脳血管障害などによる二次性てんかんで、部分発作の二次性全般化発作がほとんどなので、普通に使える。

 欧米ではてんかん重積発作でも使うらしい。ロラゼパム(ワイパックス)の静注からレベチラセタム(イーケプラ)点滴静注の流れになるアルゴリズムをスライドで見せてくれた。当地の基幹病院神経内科(常勤医4名)では、ジアゼパム(セルシン)を最大30mgまで使用して、ダメならイーケプラを最大3000mgまで点滴静注して、ダメなら麻酔をかけるそうですとMRさんが教えてくれた。現在日本にはないワイパックスの注射薬が申請されるらしいということも教えてくれた。

 当院は神経内科医1名で、時間外はオンコールになっていないし、初期治療で治まらないと時間内でも搬送を指示されると思う。当院としてどこまでやるかというと、イーケプラまでだろう。イーケプラ点滴静注が使えるというのは、セルシン静注で発作が全然治まらず途方に暮れるより、二の矢があるという点でずっといい。

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