なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

久しぶりにハンプ使用

2017年07月31日 | Weblog

 60歳代後半の女性が、先週の金曜日に低血糖で救急搬入された。糖尿病・糖尿病腎症もあるが、心不全の増悪で心臓血管センターのある病院に3回救急搬送されている。脳梗塞後遺症・認知症で、インスリン強化療法の自己注射は夫がしている。その日は午前中に循環器科外来(外部の応援医師担当)を受診していた。

 超速効型は食直後になっていたが(食事摂取が不安定なので)、その日は帰宅してから昼食をとらなかったのに昼の分を注射してしまったそうだ。搬入時に血糖20mgdlだったが、救急当番の外科医がグルコースの静注をして、すぐに回復していた。低血糖のこともあるが、全体に浮腫が目立っていた。連絡が来て救急室に診に行った。

 胸部X線・CTで確認すると、肺うっ血が以前救急搬送した時ほどではないが、いい時よりは目立つ。酸素飽和度は室内気でも良好だった。この方は水多飲で低ナトリウム血症にもなった。今回も血清ナトリウム120で低下している。低血糖の治療、低ナトリウムの補正(水多飲をやめるとすぐ良くなる)、心不全の経過をみるのに入院とした。

 その日の夕食は全量摂取で低血糖は回復した。なにしろ内服薬はサムスカを含めてこれ以上追加のしようがないくらい出ている、ハンプの持続点滴静注を行っていたが、1日3Lに排尿があって、今日は浮腫はほとんど消失していた。当院の治療で何とかなりそうだ。

 今回HbA1cが6.0%と良好すぎる値になっていた。無自覚性の低血糖がけっこうあるはずなので、インスリンは全体的に減量する。

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