なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

気管支喘息?心臓喘息?

2017年07月07日 | Weblog

 午前中病棟にいると、80歳代前半の男性が除脈から心肺停止に陥った。消化器科にいわゆるトランクで来ている先生が、昨日救急当番の時に入院させた誤嚥性肺炎の患者さんだった。主治医は今日は本来の所属先に戻っていて不在だった。

 心臓マッサージ(胸骨圧迫)と気管挿管・人工呼吸を開始した。外来を診ていた消化器科の常勤医も来て、一緒に心肺蘇生を行ったが反応はなかった。

 最近は食事摂取が難しくなっていたそうだ。骨と皮と表現したくなるような身体だった。喀痰吸引すると胆汁混じりの液体が引けることもあったらしい。気管挿管をして呼吸音を確認した後に吸引すると、同様の胆汁混じりの液体が引けていた。

 今日は3名入院した。ひとりは80歳代後半の女性で施設に入所している。胸部CTで両側肺に肺炎と胸水貯留があった。胸膜炎とすべきか肺炎随伴性胸水とするべきか。もうひとりは80歳代半ばの男性で、心不全で循環器科クリニックに通院している。今朝からの発熱で、市役所職員が連れてきた。一人暮らしで身寄りがまったくないそうだ。肺炎で入院した。

 3人目も循環器科クリニックに通院している80歳代半ばの女性で、僧房弁置換術後・心房細動・心不全がある。昨日、「喘鳴が続いて外来治療していたが症状が続く。明日から学会に行くので、当院の外来を受診させる。」と連絡が来ていた。

 けっこうな喘鳴が聴取される。心拡大が目立ち、心臓喘息も疑われるが、以前と比べると画像・BNP・浮腫は悪化してない(昨年の開業前は当院の循環器科で診療)。2週間前からの症状というが、喘鳴で治療を受け始めたのは今週になったからだった。ステロイドを投与したと記載されていたが、具体的な薬品名の記載はなかった。

 炎症反応はクリニックの検査ではわずかに上昇があるが、今日は正常域だった。ウイルス感染そのものによる細気管支炎かもしれないが、ちょっと長いので気管支喘息そのものなんかもしれない。同じような高齢女性が入院していて今日退院したが、こちらの方が症状は強い。

 喘息発作として、ステロイド多目から治療を開始した。テオフィリン少量と抗ロイコトリエン薬も併用する。抗菌薬はクリニックからニューキノロン内服が処方されていた。

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