今日は基幹病院の呼吸器内科から、肺癌の79歳男性が転院してきた。脳幹梗塞(半身の不全麻痺と構語障害)が発症して、まず神経内科に入院になった。抗血小板薬の投与で血痰が続き、呼吸器内科に転科となったそうだ。
気管支鏡検査で肺腺癌と診断された。全身検索まではしていないようだが、CTで肋骨転移がある(肝転移もありそう)。総合的に判断して癌治療は無理と判断されていた。
妻と二人暮らしだが、在宅介護はできませんということで、とりあえずリハビリ継続目的で当院に転院となった。「肺癌はゆっくり進行すれば今年以内、血痰・喀血などで急変もありうると説明しています。病状をみて療養型病床への転院を勧めて下さい。」、と診療情報提供書に記載されていた。リハビリをして短期間の施設入所もなくはないが、確かに病院で経過をみるのが無難かもしれない。
付いてきたCDから画像を取り込むと、腫瘤の周囲に肺炎様の淡い陰影が取り囲んでいるが、ここも癌なのだろう。現在は血痰は治まっている。1か月くらいリハビリをして、療養型病床で受けてくれるだろうか。何だか病院の都合で次々とパスしていくのは患者さんに申し訳ないが、医療体制・医療制度の問題でどうしようもない。
息子の暴力で硬膜下血腫・肋骨骨折をきたして入院した高齢女性がいたが、認知症があり、病棟看護師さんに噛みついたそうだ。DVにも事情があるのだった(もちろんDVはダメですが)。