なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ヘルペス脳炎

2018年02月09日 | Weblog

 朝に内科の先生から、その日不在の先生が担当している2名の患者さんのことで相談された。ひとりは意識障害、もうひとりは貧血だった。

 低血糖昏睡で救急搬入された82歳男性は、グルコース静注にわずかに反応したが、血糖正常域で経過をみても3桁の意識障害は続いていた。どのくらいの時間低血糖であったが不明で、遷延性低血糖(低血糖脳症)が疑われていた。

 入院した時に、膵全摘出を受けているという話は聞いていた。糖尿病専門医の医院に通院していて、インスリンはライゾデク8単位だけだという。そのくらいで血糖コントロールできるのか不思議だった。HbA1cは8.8%。血中Cペプチドは感度以下の測定不能。

 ところが入院後痙攣も出現した。頭部MRIで確認すると、拡散強調画像で脳表皮質に広範な高信号域を認めてという。ヘルペス脳炎が疑われる。37℃台の発熱があり、炎症反応は軽度だった。どうしましょうと言われたが、神経内科医が複数いる基幹病院(4~5名)に救急搬送することにした。幸い受け入れてもらえて、すぐに搬送した。

 家族(娘さん)に連絡したが、この患者さんの妻の食事介助をしていて、すぐには来れないということだった。時間がないので、まず患者さんを搬送して、介護の目途がつきしだい直接そちらの病院に向かってもらうことになった。

 両側肺に誤嚥性肺炎も併発していて、かなり状況は厳しい。何とか助かっても、寝たきり意識障害継続の状態で戻ってくるかもしれない。

 そして別の貧血の患者さんも、さらに貧血が進行していると相談された。そちらは当方が対応することにした。(明日に続く)

 

 

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