整形外科医からHCV抗体陽性の患者さんのことで相談された。昨日46歳女性が左橈骨遠位端骨折で入院して手術を受けた。今日には退院して外来で抜糸予定となった。入院時の検査でHCV抗体が陽性と判明したという。
輸血歴はなかった。妊娠した時にHCV抗体陽性を指摘されていたが、特に精査・治療は受けていなかったそうだ。肝機能はほぼ正常域だった。HCV・RNAとHCVgroupingの外注検査を提出した。腹部エコーで肝臓は辺縁平滑で内部エコーも異常がない。SOL(HCC)もなかった。
整形外科外来に来た時に外注検査の結果をみて、肝臓専門医のいる基幹病院消化器内科に紹介することにした。それにしても今時まったく精査治療を受けていないHCV陽性の患者さんは珍しい(治癒してはいないと思う)。
67歳女性が午前3時過ぎに救急搬入された。当直医は外科の先生だった。頭部MRIで右被殻~放線冠のラクナ梗塞を認めて神経内科に入院した。これだけだと普通だが、実はこの方は一昨日、昨日、本日と3回救急要請されていた。
一昨日路上で動けなくなっているのを通りかかった人が発見して救急要請したそうだ。救急隊が到着した時は歩行できるようになっていて、救急搬送を希望しなかったので、救急隊は帰った。
昨日も自宅で動けなくなったと救急要請した。救急隊が到着した時は歩行できるようになっていて、ま搬送を希望せず、救急隊は帰った。そして今日も救急要請して、今日は動きが悪かったので当院に救急搬入された。症状は左不全半身麻痺だった。
これはTIAが2回続いた?。MRAでは両側中大脳動脈の起始部に狭窄があるから、ありえなくはないか。不思議な経過だった。