なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

超高齢者の総胆管結石

2018年02月14日 | Weblog

 一昨日95歳女性が高熱で救急搬入された。インフルエンザ迅速試験は陰性で、明らかな肺炎はなかった。総胆管結石があり、肝機能障害・黄疸を認めて、急性胆管炎と診断された。

 9年前に総胆管結石で専門病院に紹介されて、内視鏡的乳頭切開と結石除去の処置を受けていた。2年前に当院の消化器科に入院した時に総胆管結石がまた出来ていた。抗菌薬投与で胆管炎は治癒して、改めての結石摘出はしない(できない?)として、経過観察になっていた。それから2年無事だったので、結果的に適切な判断だったことになる。

 先月地域の基幹病院消化器内科に入院しているが、総胆管結石を担当している先生から、もう処置はしないと言われたそうだ。確かに内視鏡処置中に急変する可能性がある。幸いに抗菌薬投与で軽快している。

 今回も抗菌薬投与と点滴で経過をみて、軽快すればラッキー、こじれて悪化した時は諦めるという方針で行かせてもらうことにした。翌日の検査で肝機能障害は変わらず、腎機能障害も進行していた。解熱してバイタルは問題なかったが、見た目にもぐったりして、乏尿にもなっていた。これはダメかなと思ったが、今日ははっきり覚醒して起き上がろうとする。何だか回復しそうな気もしてきた。

 以前消化器病学会で「高齢者の総胆管結石」というシンポジウムがあったが、「高齢者の総胆管結石」はたぶんしないと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする