昨日他院からの紹介で入院した、大腿骨転子部骨折の88歳女性のことで、整形外科から内科コンサルトがあった。今日手術予定だったが、昨日の血液検査で肝機能障害を認めて、今日再検しても同程度か少し悪化していたので(AST・ALTが100から130くらい)、手術は延期したそうだ。
紹介先の病院の検査結果はγ-GTPが100ちょっとで上昇しているが、AST・ALT・LDHは正常域だった(ALTとビリルビンは測定なし)。HBs抗原・HCV抗体は陰性。単純CTは施行されていたので確認すると、脾腫があり、門脈系が全体的に拡張しているように見える。腹部エコーを追加すると、肝表面はsmoothではなく、軽度に凹凸があるようだ。肝内部エコーはcoarseと表現されていた。胆道系は異常がない。SOL(HCCや転移性肝腫瘍)もない。
うっ血肝でもなく、薬剤性は可能性はあるが否定的だ。画像所見からも慢性肝疾患が隠れているように思える。血小板が10万弱だった(紹介先の結果は14万)。自己免疫性肝炎と原発性胆汁性胆管炎の検査(ANA・AMA)を提出して、とりあえずSNMC40ml静脈とウルソ内服で経過をみることにした。