なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ネフローゼ症候群

2019年11月22日 | Weblog

 昨日大学病院腎臓内科の先生から連絡が来て、当院から紹介したネフローゼ症候群の患者さん(64歳女性)の転院をお願いできますかと訊かれた。患者さん側の希望もあったようだが、ベットがいっぱいでということだった。

 明日でも大丈夫ですかといわれたので、空いていますからどうぞ、と答えた。ADL自立の患者さんは、介護度の高い内科病棟では大歓迎だった。

 当院に腎臓内科外来と透析のバイトに来ているので、大学病院腎臓内科医が週2回はいることになる。処方の調整はこちらでしますという。当院でベットだけお貸しするような形になる。さっそく今日転院してきた。

 思い返せば10月半ばから浮腫があったようだが、はっきり下腿浮腫を自覚したのは10月末だった。大腿部まで進行して、自称「ぞうさんの足」だった。

 心不全ではということで、当院の循環器科の外来を受診した。検査の結果、尿蛋白強陽性・低蛋白血症(血清蛋白5.2g/dl・血清アルブミン1.8g/dl)を認めて、ネフローゼ症候群が疑われた。腎臓内科外来を受診して、精査のため大学病院紹介となった(自分の科に連れて行く形)。

 大学病院で腎生検が行われて、膜性腎症と診断された。プレドニン50mg/日(0.8-0.9mg/kg)が1週間前から開始されている。しばらくは同量で継続になるが、そこから漸減を開始するとしても相当かかる。この時期だと年末には退院を希望されるので、プレドニンの量よりは、そちらの事情で退院が決まるかもしれない。

 抗核抗体が80倍でSLEの基準を満たすのでSLEかもしれないと記載されていた。分類基準のどこを満たすのかわからないのと、80倍は有意な値ではないとも思われたが、専門医がいうのでそういうことにする。

 糖尿病はDPP4阻害薬とメトホルミンで治療されていて、HbA1c7.3%なので、プレドニン使用で血糖高値になると予想される。インスリン強化療法になるだろう。BUN13.0mg/dl・血清クレアチニン0.64mg/dl・eGFR71)だが、メトホルミンはいいのか。まだ下腿浮腫は目立ち、利尿薬の処方はなかったが使用してもいいのか。まあ、処方はいじらないけど。

 

 大学病院のベットがいっぱいの時に、ベットを貸して当院で治療してもらうという形はありかもしれない。大学病院の近くにある病院は、外科医局の関連病院で、常勤医も赴任しているし、ふだんからバイトにも行っていた。大学病院で手術がいっぱいになると、その病院に患者さんを入院させて、大学から医師が手術に行っていた。

  

コメント
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