なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

Candidaいろいろ

2019年11月04日 | Weblog

 台風による大雨で被災した地域の病院(療養型病床)から、94歳男性が当院に転院してきた。経口摂取はできず、右大腿静脈からCVカテーテルが挿入されて、高カロリー輸液が施行されていた。

 内科の別の先生が診ていたが、その先生の1週間の夏休み期間に高熱が続いた。看護師さんから報告があり、病室に行って診察した。

 胸部X線・血液検査・尿検査を行った。肺炎はなく、尿路感染症の可能性があり、数日間にしていた尿検査に結果をもとに抗菌薬を開始した。CVカテーテル挿入中なので(刺入部の発赤はなし)、カテーテル関連血流感染も疑われた。血液培養2セットを提出していた。

 その後、血液培養2セットからCandida glabrataが検出されて、抗真菌薬も開始された。AST(抗菌薬適正使用チーム)から、カテーテル関連血流感染としてカテーテル抜去と検出菌に合う抗真菌薬を推奨した。カテーテルを抜去して、何とか末梢静脈からの点滴にしている(いずれCVカテーテル再挿入)。

 

 その前は、当方が診ている誤嚥性肺炎・心不全の88歳男性がCVカテーテル挿入後に高熱が続いた。血液培養2セットからCandida parapsilosisが検出された。CVカテーテル抜去と抗真菌薬投与で解熱軽快した。

 末梢からの点滴の後に、別の部位(内頸静脈)から再度CVカテーテルを挿入した。今のところ発熱がない状態で安定している。そもそも、嚥下障害できない高齢者に高いカロリー輸液をするのはどうかという問題はあるが。(この患者さんは当院看護師さんの父親)

 

 同じCandidaでも種類が違うと抗真菌薬も異なる。鑑別している当院の細菌検査室もなかなかやるのだった(感受性試験は外注になる)。

 

 

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