昨日内科医院から50歳女性がるい痩で紹介されてきた。内科新患担当は大学病院から来ている先生だった。5月ごろから体重が減少して診療情報提供書には25Kgの減少とある。
先週の初めに医院を受診した時の検査結果があり、貧血はなく腎機能障害は軽度(体重からみれば中等度くらい?)だったが、肝機能障害が目立った(AST 619・ALT 164・LDH 442)。
新患の先生から、入院が必要ですと連絡がきた。話を訊いてだけで、まだ特に検査はしていなかったので、外来で一般的な検査と画像検査を入れてもらうことにした。
末梢静脈から点滴が困難になった患者さん(前立腺癌・多発性骨転移+誤嚥性肺炎の90歳男性)にCVカテーテルを緊急で入れるところだった。CV管理の高齢者のノルアドレナリンの調整もあり、内科の別の先生に検査結果をみてもらうよう依頼した。
話を聞いた時は、膵癌・肝転移などを想定したが、肝機能障害が目立ちすぎか。るい痩そのものによる肝機能障害は経験がなく、わからない。
午後になって検査結果を確認すると、AST 8610・ALT 5320・LDH 2062・ALP 1753・γ-GTP 97・総ビリルビン2.6と著しい肝機能障害を認めた。炎症反応は陰性で、他は脱水傾向の結果ではあるが、それほどのものはない。胸腹部CTはやせすぎていて(脂肪がないので)読影し難いが、閉塞性黄疸ではないようだ。
劇症肝炎相当の肝機能障害ということで、地域の基幹病院消化器内科の肝臓専門医に紹介になった。この症例は当院で扱うのは無理だが、紹介された病院ではどう治療するのだろうか。Refeeding症候群に注意して慎重に輸液をするとして、ステロイドを使う?。見当がつかない。