午前中は救急当番だった。さっそく救急隊から搬入依頼が来た。認知症の87歳女性が昨日転倒して、今日は左上下肢を痛がっていて、動けないという。骨折かと思われた。
搬入時、左上腕の腫脹があるが、骨折ほどの痛みはないようだ。左股関節部も痛がったが、動かしてみると骨折はないようで侵奪上は打撲程度かと判断された。
単純X線で左上腕骨・大腿骨に骨折は認めなかった。ヒビ程度だとわからないので、CTで確認することにした。胸部X線で左肺に腫瘤様の陰影があり、肺癌疑いもあった。
胸腹部CTで確認すると、上腕骨・大腿骨に骨折はなかった。左上葉の陰影は腫瘤様というよりは浸潤影かもしれない。胸部単純X線でわからなかったが、右下葉に明らかな浸潤影がある。
白血球21800、CRP13.1mg/dlと上昇していた。CK2096と上昇して、トイレ付近で倒れた時の打撲と、その後家族が発見するまで同じ姿勢でいたせいだろう。筋肉の障害を差し引いても肝機能障害もあった(脂肪肝もある)。
認知症で自宅内で這って、あるいはつかまって移動していた。昨日はトイレの前で倒れて、左半身を打撲した。排尿が間に合わず、尿失禁もした。その後昨日はそれなりに動いていたそうだ(骨折ではない)。今朝になって起きてこないの家族が見にいくと、左上下肢の痛み(打撲・挫滅?)を訴えて、動けないと言った。
肺炎があると家族に伝えると、そういえば1週間くらい前から咳が出て、痰が絡んでいうようだったという。発熱はなかった(搬入時も)。
喀痰培養は黄土色のねばねばした良質な痰がとれて、肺炎球菌尿中抗原が陽性だった。要するに肺炎球菌肺炎で体調不良になって、(中腰程度から)転倒したということのようだ。