なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

たぶん前庭神経炎

2019年12月25日 | Weblog

 昨日18歳女性(高校3年生)がクリニックの紹介で受診した。先週末に外来予約の依頼が来て、来週でいいということだった。緊急性はないのだろうと思ったが、忙しくて内容まで確認していなかった。

 母親と一緒に受診した。今月初め(3週間前)に回転性めまいが生じるようになった。発症はこの時からと特定できず、いつの間にか起きていた(突発性ではない)。安静時も動作時もあった。難聴・耳鳴はなかった。

 1日だけ学校を休んだだけだったので、歩行はできていた。クリニックを受診して、めまいの薬が処方された。その後もめまいは続き、嘔気が続くようになった(嘔吐は1回だけ)。クリニックを再受診して、五苓散が、その後にナウゼリン(ドンペリドン)が処方された。血液検査で血小板が8万と低下していた(CRP陰性)。

 めまいというより、血小板減少が自己免疫性(免疫性)血小板減少性紫斑病?、という紹介だった。嘔気と体調不良については、精神科へも紹介する予定らしい。

 幸いなことに、先週末から嘔気がなくなりはしないが、軽快していた。食事はとれる。診察室の中を歩いてもらうと、ほとんど普通だった。つぎ足も片足立ちもできる。血液検査をすると、血小板は26万と正常範囲だった。

 めまいの前にウイルス感染らしい上気道症状はないそうだが、経過からはめまいは前庭神経炎が疑われる。すでに回復していて耳鼻咽喉科受診は意味がなさそうなのでしなかった。血小板減少もウイルス感染によるのだろうか。

 ほとんど治ってきているので、そのまま経過をみてもらうことにした。1~2週間の経過で症状が残れば、再受診とした。精神的なものではなく、身体的な病気そのものによる症状なので、精神科受診は不要だろう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする