水曜日は外科医(女性医師)が当直だった。81歳男性がホテルから救急搬入された。ホテルのある町に住んでいるらしいが、入浴するために?ホテルを利用しているそうだ。銭湯のような大きな風呂場を備えたホテルだった。
なんでも午後3時ごろから何度か入浴を繰り返していた。午後7時ごろに、具合が悪そうだお客さんがいると、他のお客さんからホテル従業員に連絡がいって、救急要請となった。地域の基幹病院のすぐ近くのホテルだったが、満床で受け入れができず、当院に搬入された。
39℃の高熱があり、白血球13300・CRP0.7と急性期の炎症反応上昇を認め、AST467・ALT168・ALP2176・γ-GTP900・総ビリルビン2.4と胆道系酵素有意の肝機能障害を認めた。腹部CTで総胆管末端に結石を認めた。
通常夜間のMRIは頭部のみ行うことになっているが、MRCPも施行されていた。確かに総胆管末端に結石が嵌頓している(女性医師が技師さんに頼み込んだようだ)。
総胆管結石・急性胆管炎なので当院では胆膵内視鏡ができないので対応できない。血圧は保たれていたので、一晩当院で治療することになった。
要するに、急性胆管炎で悪寒戦慄があり、それを治そうとして入浴を繰り返していたらしい。発熱と繰り返した入浴により、ふらふらになってしまったという経緯だった。
翌日の木曜になって地域の基幹病院消化器内科に連絡すると、幸いに受け入れてくれて、消化器内科に救急搬送となった。最近は、満床と受け入れ可能を繰り返しているようだ。病状が落ち着いた患者さんを、当方や療養型病床を持つ病院がせっせと下請けしているが、患者数が多くて間に合わないのだろう。