なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は搬送の日

2019年12月23日 | Weblog

 今日は振戦と認知力低下の65歳男性が、地域の基幹病院脳神経内科に転院することになっていた。付き添いは妹さんだけなので、介護タクシーを頼んでいた。

 朝病院に来ると、病棟から連絡が来た。意識レベル300ですということで、すぐに病棟に向かった。昨日の昼までは変わりなかったらしい。朝昼食はとっていたが、夕食をとらず(点滴は1000ml/日していた)、夜間は不穏が目立った。

 準夜帯でハロペリドール注も行っていた。夜間は寝ていたようだが、朝にはベットにすわってカーテンや床頭台をいじっていた(引き出しを壊していた)。そうこうしているうちに、頻呼吸になって呼びかけに答えなくなった。

 病棟に上がって病室に行った。開眼はしているが、興奮した様子だった。呼びかけると、返事はするが、会話は成り立たない。酸素飽和度低下もあったが、何度か測りなおすと正常域だった。両手を動かしていて、下肢はあまり動かさなかった。

 すぐに転院先の病院に連絡して、主治医になる予定の先生に事情をお話して、救急搬送になると伝えた。救急室に言っておきます、ということだった。

 精査依頼のはずが、救急搬送になって申し訳なかった。専門医が診ても、軽快退院になることはないと思われ、当院に戻って来るのは間違いない。ただ戻る時期はどうなるのだろうか。

 

 今月初めに基幹病院呼吸器内科から転院してきた72歳男性は先週末から左肺炎になった。39℃の高熱があったがが、ゾシン(PIPC/TAZ)を開始して、解熱傾向にあった。ところが、今日胸部X線を見ると、左肺がほとんど無気肺になってつぶれていた。

 

 看護師さんたちが、頻回に喀痰吸引をして、相当な量の喀痰が吸引していたが、気管支まではとりきれない。医療センターで右上葉部分切除術をしているので、右肺で何とかしている状態だが、炎症が右に及ぶと急変してしまう。

 呼吸器内科医に連絡すると、今からでも送っていいと言われた。満床で受け入れできないことが多いので、ベットが空くまで数日待つかと思ってた。ありがたく、今日救急搬送させてもらった。

 気管支鏡で気管支に詰まった喀痰を吸引するかと思うが、この患者さんは気管切開しないと、維持できないのではないか。ただ喉頭癌・下咽頭癌で放射線療法を受けた既往もあるので、気管切開自体リスクがあるが。(この患者さんもいずれ戻って来るので、気管切開後にしてほしい)

 

 今日の午前中に当院の外科からも救急搬送したので、当院から3名の患者さんを搬送したことになる。明日は脳神経内科の今回主治医になる先生の紹介でパーキンソン病の患者さんが(看取りということだ)、木曜日には呼吸器内科の別の先生からの紹介で膿胸の治療中の患者さんが(廃用症候群のリハビリ)、当院に転院してくる。一応病病連携としてはうまくやっている?。

 

 

コメント
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