なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺結核疑い?

2021年12月08日 | Weblog

 消化器科医が紹介されてきた77歳男性の画像を見ていたらしい。医局のコンピュータの画像モニターが開きっぱなしになっていた。一見して肺結核の画像だったので、これまでの経緯を確認した。

 7年前に食道癌で市内のクリニックから地域の基幹病院外科に紹介されて、さらに大学病院外科に紹介された。大学病院で手術をして、その後は担当医が開業したのでそちらのクリニックに通院していた。

 遠方でもあり、胸部X線での陰影も気になるということで、当院消化器科に紹介されてきた。大学病院にいた時に長く当院にバイトに来ていた先生だったので、当院消化器科医とは馴染みだった。(人柄も技能も優れた先生で、ジャニーズ系の顔立ちでもあり、看護師さんに大人気だった)

 右肺上葉に気管支拡張を伴う陰影があり、胸膜浸潤・胸水貯留もある。どう見ても結核で、放射線科の読影レポートも肺結核疑いだった。

 

 外来で喀痰培養(抗酸菌と一般)を出そうとしたが、ごく少量した出なくて、検査室からこれでは無理ですといわれていた。次週の呼吸器外来(非常勤医師)に紹介することにしていた。

 外来の中央処置室で喀痰を出そうとして頑張ったのだろうか。専用の喀痰採取室はないので仕方がないが、結核疑いだと危険なことになる。

 

 ただ2年前に肺炎で内科に入院した既往があった。担当は別の先生だが、その時は肺炎球菌肺炎として治療して軽快していた。喀痰培養は陰性だが、尿中肺炎球菌抗原が陽性だった。

 セフトリアキソン投与で解熱して、炎症反応上昇は普通に軽快していた。画像では今回は見られない斑状影散在があった。その分を差し引くと、2年前と今回の画像は大きくは違わない。陳旧性肺結核のところに、肺炎球菌肺炎を来して治癒したということになるのか。

 そうなると、念のため喀痰の抗酸菌染色(+結核菌PCRと培養)で確認して、活動性肺結核でないことを証明すればいいのだろうか。来週の呼吸器外来で判断してもらう、で問題ないのかもしれない。

 

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