水曜日の当直の時、午前3時半に嘔吐・腹痛の69歳男性が救急搬入された。急性腹症は当院で対応できなくなっているが、とりあえず一度診てから考えることにした。
既往歴を見てすぐに、これは搬送とわかった。40年前に他院で虫垂炎・腹膜炎の手術を受けていた。腹膜炎がひどかったらしく、腹部正中に大きな切開痕がある。
2011年・2014年・2018年と術後癒着性腸閉塞で当院外科に入院していた。いずれもイレウスチューブによる保存的治療で軽快していた。今回は腹痛の程度がひどいかもしれない。嘔吐を繰り返していた。
夜間は放射線技師・検査技師はオンコールになる。血液検査は要らないと思ったが、画像は必要だ。幸いにその日の放射線技師は県庁所在地からの通勤なので、当番の時は院内に泊まっている方だった。
すぐに胸腹部単純CTを撮影してもらうと、消化管の拡張・消化液貯留が目立った。臍部のところに癒着がありそうだ。
地域の基幹病院外科に連絡すると、眠そうな声で外科系の先生が出た(夜分にすみません)。「(受け入れは)大丈夫でしょう」という言い方だったので、外科医ではないのかもしれない。ありがたく救急搬送させてもらった。
当院は外科医が1名だけ残っている。手術はしない病院になったので、基本的に急性腹症はとれない。腸閉塞も保存的に診るとしても、緊急手術になる可能性を考えながら診るので、当院ではもう扱っていない。
その外科医も今年度で移動になるらしい。ますます急性腹症は診れなくなるのだった。消化器科医1名は病気治療しながら診療を継続していて、緊急内視鏡は2年前から中止になった。
準夜帯で、飲み会の後に尿閉になった高齢男性が受診した。2年前にも尿閉で受診した既往があるが、ふだんは排尿困難はないという。その日は飲み会でアルコールを飲んでから尿閉になっていた。
下腹部がポッコリ膨らんで、エコーで見ると膀胱がパンパンに膨らんでいた。導尿で900mlの排尿があり、すっかり元気になって帰って行った(泌尿器科クリニック受診は勧めた)。
当院の救急診療はこのくらいでちょうどいいと思った。