市内の医院から紹介された83歳女性を内科の若い先生が診ていた。紹介状(診療情報提供書)には、貧血・M蛋白とあった。M蛋白ならば、当院に紹介しても仕方ないので、がんセンターなどの血液内科へ紹介してほしいが。
全身倦怠感と体重減少があり、今月初めの検査で貧血(Hb10g/dl台、MCVでは正球性)があり、血清蛋白電気泳動でM蛋白疑いという外注検査の結果が添付されていた。慢性炎症でしょうか?、と記載されている。
当院でも検査を行うと、免疫電気泳動でM蛋白(IgM)があり、可溶性IL-2受容体抗体が2190U/mlと上昇していた。胸腹部CTでは脾腫があるが、リンパ節腫大は指摘されない。
この前、多発性骨髄腫を疑った患者さんがいて、M蛋白はIgMだった。骨髄穿刺で形質細胞とリンパ球の増加があり、リンパ形質細胞性リンパ腫・原発性マクログロブリン血症と診断された。
こちらの患者さんも同様なのだろうか。前の患者さんでは、認知症で施設入所中であり、家族が専門病院へ紹介しての精査・治療は希望しなかったので(受診しても治療対象とされない)、当院でできる範囲で検査した。
今回の患者さんは一人で受診してきているくらいなので、家族に連れて行ってもらえば、紹介可能だと思う。その上で、経過観察の方針になれば当院で診ていくのもある。
次回は家族といっしょに外来に来るそうなので、専門医への紹介を若い先生に勧めた。
火曜日は市医師会の講演会があり、頼まれた座長をした。完全なweb開催で、製薬メーカーが借りた貸し会議室にMRさん2名と当方がいて、講師の先生(名誉教授)は自宅から配信する。zoomが途中で止まったりしたが、無事に終了した。郡部の医師会なので大抵15名くらいの参加の小規模なものだ。
市医師会の講演会の座長は基本ボランティアだが、このメーカーは座長料を出してくれた。このメーカーは海外大手の関連企業で、そちらのメーカーの時も確か座長料を支払っていた。
相場は講師10万、座長3万くらいだと思う。今回座長として4.5万で、いったい講師にはいくら支払っていたのだろう。ささやかなCOIだが、製薬メーカーに対する印象は良くなる。もっともこのメーカーの薬は同効薬の中ではすでに一番売れていて、当方もかなり使っていた。