10月19日(木)にインフルエンザに罹患していた76歳女性が、自宅で転倒・頭部打撲後に動けなくなり、救急搬入された。
10月17日から37.8℃の発熱、鼻汁・咽頭痛・咳、関節痛・倦怠感があった。さらに嘔気・嘔吐もあった。15日と16日に甥と姪が市内のクリニックでインフルエンザと診断されていた。
10月18日に当院を受診して(連れてこられて)、発熱外来でインフルエンザA型と診断された。嘔気があり食事摂取が難しく、外来の処置室で点滴とラピアクタの点滴静注を受けていた。
実はその日病院に来る前に、自宅で立てかけてあった杖をとろうとして、後ろ側に転倒した。後頭部を椅子に、腰を床に打撲していた。
その日は点滴後に帰宅していたが、その後から打撲部の痛みで動けなくなったそうだ。もともと整形外科で左肩と右膝の治療を受けている。
点滴と血液検査を行って、頭部CT、さらに胸腹部CT(圧迫骨折など骨条件の検索もあるため)を行った。頭部CTは異常なかった。
胸腹部CTで圧迫骨折などはなかった。右肺の下葉外側に淡く線状網状影があった。白血球8500(ふだんは4000)・CRP4.8とインフルエンザだけにしては上昇していて、軽度の肺炎併発として抗菌薬(セフトリアキソン)も開始した。
入院時にはすでに解熱していたが、咳・淡黄色痰は続いていた。入院後は、痰は白色に改善して、食事摂取もできるようになった。
若い人ならそれで退院だが、短期間リハビリをしないと自宅で動けないので、来週まで(1週間の治療と1週間のリハビリ)入院継続とした。(10月25日は白血球4900・CRP0.5)
インフルエンザでの入院は2~3年ぶりくらいになる。新型コロナが出てからインフルエンザの入院を診ていないかもしれない。