高血圧症・高脂血症・不眠症で通院している83歳男性は、7月半ばに発熱で受診していた。
発熱外来扱いになったが、コロナ・インフルエンザの迅速検査は陰性だった。大学病院外科の先生が担当だったが、呼吸器症状はなく高齢であることから、院内に入ってもらって検査となった。
血液検査で炎症反応上昇と肝機能障害を認めた。造影CTで総胆管結石と胆嚢内結石が描出された。胆石性急性胆管炎だった。当院では内視鏡処置はできないので、地域の基幹病院に搬送になる。
ただCTではもっと重要な病変も描出された。S状結腸に腸管狭窄をきたす腫瘤(癌)があり、周囲のリンパ節腫脹と肝転移と判断される肝腫瘍もあった。
便秘は自覚しておらず、従って便秘薬の処方もない。もう少し進行するれば、排便障害が出るはずだが、その前に別病変の症状で診断されたことになる。
基幹病院から、さらにがんセンターに紹介されたそうだ。消化器内科から腫瘍内科に回されていた。現在は外来で経口の抗癌剤で治療しているという。CVポートを作成して点滴による抗癌剤治療をする予定ということだ。
認知症の妻を介護している方だが、そちらは今後どうなるのだろうか。