消化器科に入院していた急性膵炎を繰り返している31歳男性は、閉塞性黄疸になった。MRCPで見ると、膵頭部主膵管内に結石(石灰化はないので蛋白栓)が複数あり、膵内胆管が圧迫されていた。主膵管ま尾部まで拡張していた。この結石を除去しないと治らない。胆膵専門の先生がいる病院へ搬送となった。
この患者さんは20歳代になってから膵炎発作を繰り返していた。もうひとり28歳男性で、小児の時から急性膵炎を繰り返している。2年前の腹部CTで膵臓全体(膵管内)に石灰化が出てきた。MRCPで主膵管は慢性膵炎に典型的な不規則な拡張と狭窄を呈していた。膵管狭細型の像ではない。ふたりとも大学病院消化器科の膵外来を受診したことがあり、大学らしい検査として遺伝子検査もしたらしい。ただ大学としても特別な治療はないので、それっきりになっていた。
最近は自己免疫性膵炎が注目を浴びているが、このふたりは自己免疫性膵炎には入らない。昔は特発性慢性膵炎の画像の特徴などが記載されていたが、今は遺伝子異常の話題だけのようだ。
28歳男性はここ2年間は何故か膵炎で入院していない。このまま進行すると、いずれ主膵管が閉塞して手術が必要になる可能性があると思って経過をみているが、どうなるのだろう。
今朝病院に来ると、ちょうど甲状腺癌の77歳男性が心肺停止となって病棟から呼ばれた。奥さんと息子さんが病室にいて、息子さんは電話で親族に死亡したことを連絡していた。死亡確認を終わると、奥さんから、今日は(私の)外来予約になっているが、どうしたらいいかと聞かれた。処方と次回予約を入れておくので、落ち着いたら午後でもいいので内科外来に来るよう伝えた。もともと大学病院外科の患者さんなので、担当医に経過を記載した報告書を郵送で出した。11年前に甲状腺全摘術を受けているが、食道と気管に浸潤していた。それからすると良くもったということになるのだろうか。
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