なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺膿瘍?

2018年04月12日 | Weblog

 84歳男性がクリニックから肺炎で紹介されてきた。平成20年に右肺癌で中葉切除術を受けている(大学病院)。既往歴が多数あり、胃癌術後・甲状腺癌術後・CABG後だった。甲状腺癌は年数的にまだ治癒とはいえないかもしれない。

 2月中旬に転倒した後から?、右肩痛・肩甲骨部痛がある。咳をしたり、深吸気時に痛いそうだ。その症状で整形外科クリニックを受診して、骨には異常がないといわれた。4月初めから咳・痰を自覚していたが、発熱はない(あっても微熱なのだろう)。

 先週の土曜日に降圧薬などをもらっているクリニックを受診して、肺炎としてニューキノロンが処方されていた。改善しないので今日の紹介になった。普通に自分で歩いてきて、食事もとれていた。数年前から食事摂取量は少なくなっているという。やせていて、最近の体重減少の有無を訊いたが、奥さんは前からこんなものという。

 昨年上気道炎で当院内科新患を受診して胸部X線をとっていた(左)。また1週間前に右肩痛・肩甲骨部痛で当院の整形外科を受診していて、胸部X線(肋骨も)をとっていた(真ん中)。その時に肺がおかしいと言われたそうだ。それと今日の胸部X線(右)。昨年のは術後というだけ。真ん中は上肺野外側に腫瘤様の陰影で、右はその腫瘤様陰影が縮小してそこに空気が入って、下肺野外側に液体が流れて行ったように見える。

 ニューキノロン投与後だが、抗酸菌塗抹は陰性だった。胸部CTでは膿胸?。胸腔穿刺してからとも思ったが、よくわからないのにいじってもと思い直して、そのまま明日地域の基幹病院呼吸器内科に紹介することにした。

 

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