2011~2012年の肺炎マイコプラズマの流行時には8割がマクロライド耐性だったが、その後は耐性率は低下しているそうだ。
(ほとんど忘れていたが、当方が感染症学会・化学療法学会に行っていた時期で、確かにマイコプラズマのマクロライド耐性のセッションがあった。)
肺炎マイコプラズマはP1タンパク遺伝子の違いで、1型と2型があり、1型はマクロライド耐性遺伝子の保有率が高く、2型は耐性遺伝子保有率が低い。流行時は1型が多かったが、その後は2型が多くなったので、マクロライド耐性株の比率が低下した主因ということだった。なるほど。
基本的に治療薬の第1選択はマクロライドで、アジスロマイシン(ジスロマック®)500mg1日1回を3日間あるいは2g/日を1日1回だけになる。クラリスロマイシンは200mgを1日2回朝夕になる。
48~72時間で解熱しなければ、テトラサイクリン系のミノサイクリン(ミノマイシン®)1回100mgを1日2回、またはキノロン系のたとえばレボフロキサシン(クラビット®)500mg1日1回になる。投与日数はアジスロマイシン以外は7~10日間。
マイコプラズマ学会から「肺炎マイコプラズマ肺炎の治療指針」2017年が出ていて閲覧できる。
キノロンはマイコプラズマに耐性を誘導しやすい。テトラサイクリン系はマイコプラズマに対する耐性誘導が起こりにくい。
テトラサイクリン系の使用経験のある実地臨床医は少なく、臨床研究も少なくエビデンスに乏しい、とある。当方は昔の医者なので、マイコプラズマ肺炎にミノマイシンは使い慣れていて効果も実感している。
下の図はCareNetの倉原優先生の記事に載っていた。
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