10月11日に記載した右下葉全体に広がる肺炎の患者さんのその後。
10月15日に担当の内科の若い先生から相談された。いつもは大学病院から呼吸器外来に来てもらっている感染症内科の先生に相談する。その週だと17日に来るはずだったが、10月17日~19日は感染症学会に出かけるので休診の予定だった。
発熱が断続的に続いていた。炎症反応の変化は、入院時の白血球10800・CRP27.9が、白血球13800・CRP27.9と横ばいだった。患者さん本人としては入院時より少しいいようだが、酸素化と食事摂取量は変わらない。
抗菌薬はセフトリアキソンで開始していた。経過が長く、実際は入院の1週間前から発熱があったらしい。肺膿瘍化しているかもしれないので、スルバシリン(ABPC/SBT)ではどうでしょうか、とお話した。
通常経過をみる画像検査は胸部X線で行うが、胸部CTも行ってみることを勧めた。すると、右肺下葉の陰影は軽減して良くなっていた。その代わりに。右上葉に結節状の陰影があり、左肺にも軽度の陰影があった。
新規の陰影が出たのはよくわからないが、経気道的に散布されたということだろうか。呼吸器科の意見を訊いてみたいということになり、地域の基幹病院呼吸器内科の先生にFAXを送って(診療情報提供書と画像のコピー)ご意見を伺った。
結果は、「通常の肺炎として治療継続」ということだった。もう少し治療を継続して経過をみましょう、ということになった。
10月20日にはすっきりと解熱して、10月23日の検査結果は白血球8300・CRP6.5と改善した。新規の陰影も軽減してきているようだ。
10月24日2週間ぶりで来られた呼吸器外来の先生に相談すると、「肺炎球菌肺炎の典型的な経過で、入院後に出現した新規の陰影は免疫反応によるもの」、ということだった。
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