3月6日(木)は内科の若い先生が当直だった。午後5時半ごろに医局のラウンジに行くと、当直医が夕食を食べていて(午後5時には配膳される)、別の内科医と皮膚科医がいた。
皮膚科医が、地域の基幹病院では4月から2名いた皮膚科常勤医が移動という話をしていた。大学病院から出張の非常勤医だけになるそうだ。県庁所在地の重点病院に回すことになったという。
病院のひとり皮膚科だと、皮膚科重症疾患(Stevens-Johnson症候群・TEN・DIHS、広範熱傷)は診られない。今後は大学病院に送ることになると言っていた。
帰りに救急室の前を通ると、救急外来に患者さんが来ていて、画像検査に回ったらしい。救急搬入ではなかったので、急性期病棟は満床だったが、外来治療でいいのだろうと思いながら帰った。
翌日確認すると、そうではなかった。市内の整形外科クリニックからの紹介だったが、急性大動脈解離だった。
患者さんは80歳代前半の男性で、3月2日の夜に息子と親子げんかになった。仰向けの倒れたところに、息子が膝で前胸部を押した。
その後から前胸部痛が続き、翌3月3日に整形外科クリニックを受診した。X線で骨折なしと判断されて、湿布が処方された。6日になって背部痛も出現したために、同クリニックを再度受診して、当院紹介となった。
胸部単純X線ではわかりにくいが、胸部CTで大動脈起始部から胸部大動脈にかけて解離を認めた。単純CTだけだったが、石灰化が大動脈の内腔側に来ていて、部位によっては解離腔の濃度が違いがわかりやすい。
点滴や血液検査はしていなかったので、造影検査までするよりは、すぐに搬送した方がよいと判断したのだろう。循環器病センターのある専門病院に救急搬送していた。
これは外傷性?、親子げんか時にたまたま発症?。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます