なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胸膜痛

2018年06月10日 | Weblog

 昨日の土曜日の日直の時、夕方に58歳女性が受診した。1週間前から(自称)かぜ症状があり、治らないという。37℃台の微熱、咳、痰た続いていた。痰の色は茶色だという。右側胸部痛もあり、吸気時に痛む。自分では右上肢の腱鞘炎があるので、そのつながり?で胸部痛があるものと思っていたそうだ。

 まず肺炎・胸膜炎と思われたので、胸部X線を検査した。正面像で予想したよりも陰影が広がっていた。胸部CTで確認して、右中葉(S4中心)に浸潤影があった。胸膜に炎症が及んでいる。なるほど正面像ではこうなるのか。

 発熱などよりも前から胸痛があったという。普通の肺炎でいいと思うが。発熱以外のバイタルは問題ないので、外来治療で経過をみることにした。

 

 昨夜は日直の後は病院に泊まって待機していた。当直医からの連絡(新規入院)は特になかった。病棟では、大学病院から緩和ケア継続のため転院してきた悪性リンパ腫の患者さんが急変して亡くなった。午後7時にお見舞いに来ていた家族が帰って、午後9時に急変して家族を呼び戻した。遠方から家族が集まるのを待って、午前0時過ぎのお見送りとなった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一過性の四肢脱力

2018年06月09日 | Weblog

 午前4時に当直医(外部の病院のバイトの先生)から連絡が来た。四肢脱力の25歳男性が救急搬入して、周期性四肢麻痺として入院させたいという。入院にしてもらって、今日は日直で病院に出るので改めて診察することにした。

 昨夜午後8時ごろから自室で職場の同僚と飲食をしていた。アルコールはビール500mlで、市販の寿司を食べた。午後11時ごろに就寝して、午前1時過ぎに目が覚めたが、四肢の脱力があった。ベットから起き上がるのが大変だった。一人暮らしなので、自分で携帯から救急要請した。

 救急車内までは何とか歩いて乗車したそうだ。病院に搬入されたころが一番症状が強かったらしい。当直医の評価は上肢下肢ともにMMT3/5だった。ベットから両手を使っても起き上がれなかった。意識清明で他の神経症状はない。

 当直医は低カリウム血症を想定したが、血清カリウムは正常域で、甲状腺機能も正常域だった。炎症反応は陰性で、筋原性酵素は正常域。診断は正カリウム血性周期性四肢麻痺疑い(ギランバレー症候群も否定できず)と記載していた。

 病院に来て、当直医から申し送りを受けた。確かにその診断しか思いつかない。もう一人60歳女性が発熱・咳で受診して、肺炎があるという。いっしょに外来に行って入院とした。

 病棟に行って四肢脱力の男性を診た。このような症状は初めてだった。入院して4時間後の午前8時には、看護師さんの見守りでトイレまで歩行できた。朝食も完食していた。午前9時半の時点で、四肢の脱力はほとんど回復していた。一人暮らしで夜が心配だが、早く退院したい気持ちもあり、明日退院したいと希望した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無事でしたか

2018年06月08日 | Weblog

 外科病棟に見覚えのある名前があった(84歳女性)。内科外来に通院していた患者さんだった。13年前にこの病院に赴任してきた時に、大学病院からの出張医師担当の外来を引き継いだが、その時から診ていた患者さんだった。(常勤で赴任したので、その代りに大学病院からの外来応援枠2つがなくなった)

 高血圧症・原発性胆汁性肝硬変(当時)・シェーグレン症候群と診断されていた。処方は降圧薬1剤とウルソで、それほど病状の変化もなく、2か月に1回顔を見て処方を継続するくらいだった。

 いつからか、外来受診に連れてきてくれる娘さん(顔が母親そっくり)も診察室にいっしょに入るようになっていた。3年前に娘さんから、とにかく食事摂取量が少くなり、ほとんど食べないと相談された。そう言われてみると、もともと痩せた人だがさらに痩せていた。血液検査では貧血や低蛋白血症もなく問題なしだった。画像検査は、CTでは異常なかったが、消化管の内視鏡検査は拒否された。

 顔つきや話ぶりも以前とは違って険しい感じがした。娘さんの希望で外来で点滴を断続的に行ったが、入院は拒否した。自宅で何度も食べる様に言うが、全然食べないという。嘔気も腹痛も下痢もなかった。とにかく食べたくないという。内服薬も一切飲まなくなった。80歳過ぎの摂食障害(拒食症)?になるが、消化管の精査をしないと精神的なものとは断言できない。

 娘さんの希望で、精神科に紹介状を書いた。何度か外来を受診したが、患者さんは精神科通院は嫌がっていた。そのうちに動けなくなって救急搬入された。入院しても抑えるつけて点滴するくらいしか思いつかなかった。その前に娘さんと相談した時に、処置としては高カロリー輸液か経管栄養しかないが、抑制しないと難しいだろうという結論になっていた。外来だと娘さんが付き添っていれば点滴1本はできた。

 精神科病院に電話で相談すると、入院で診てくれるという返事だった。娘さんの泣きながらの説得で患者さんが了解されたので、精神科病院に救急搬送した。そのころは家庭内での母子の言い合いが続いて、娘さん自身が精神的にかなり参っていた(パニックですと言っていた)。それ以後は診ていなかった。

 精神科病院を退院して、現在は近医のクリニックから降圧薬とウルソが処方されている。今回は、クリニックから小球性貧血で消化器科外来に紹介された。検査の結果、横行結腸癌と診断されて今月初めに外科手術を受けていた(転移はない)。もう全粥食を食べている。

 この癌は拒食の原因にはならないが、当時大腸内視鏡検査が行われれば早期癌として診断されたのだろうか。3年前に診ていただいた精神科医は確か40歳前後だったはずだが、その後若くして癌で亡くなっている。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高齢者の運転免許証返納

2018年06月07日 | Weblog

 78歳男性が昨日午後から歩行しにくくなって救急搬入された。救急隊の話では両下肢の脱力ということだった。認知力の問題で正確な症状が判断しにくかったのだろう。

 患者さんの記憶が確かならば、昨日の昼に車を運転して妻といっしょに買い物に出かけた。午後3時ごろに自宅に帰ってきたが、車から降りて自宅に入ろうとしていつものように歩行できなかった。妻の手を借りて自宅まで歩いた。今日になっても症状が続いているので妻が救急要請した。

 両側の上肢・下肢ともに左右差がないくらいに拳上はできるが、よくよく見ると、左上下肢は軽度に脱力があった。名前・生年月日・住所・自宅の電話番号は言えて、病院名も言えた。自分の年齢は2歳違って、現在の年月日は言えないが、それは認知力の問題のようだ。

 まず頭部CTを行ったが、途中で頭部を大きく動かしてしまい、やり直した。ラクナ梗塞が散在しているが、新規の梗塞かどうか判断できない。頭部MRIは、技師さんに動かないよう何度か声掛けをしてもらうことにして、ちゃんと撮影できた。右内包に新規の梗塞巣があった。神経内科医に連絡して入院となった。

 血液検査ではHbA1c11%で、妻の話では4~5年前から糖尿病を指摘されていたが、病院には行かなかったそうだ。こちらは内科で治療することにした。

 昨年9月と今年の3月に当院の神経内科外来を受診していた。運転免許の更新時に、運転免許センターから認知症の有無について病院で診てもらうよう依頼がきていた。MMSEは22点で、頭部MRIはアルツハイマー型認知症に相当という結果だった。

 神経内科新患担当は外部の先生だったが(地域の基幹病院を定年退職)、「認知症が疑われるが認知症とはまだ言えない」というところに丸をつけていた。その結果、運転免許は更新されたのだった。

 当方はこういう場合、運転免許センターで病院に行くよう言われたのは運転は無理という判断なので、認知症の検査をしても運転していいという結果にはならないから、むしろ自分で運転免許を返納しませんか、と勧めることにしていた。

 妻の話では、もう運転はしないように何度言っても、運転は大丈夫だと主張して辞める気はなかったという。実際に運転すると、道路脇のポールや壁に何度も車をぶつけている。今回の入院で、はたして運転はやめるだろうか。「えっ、この人が」、というような認知障害・身体機能障害の高齢者がけっこう運転を続けている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DNR2例

2018年06月06日 | Weblog

 昨日は他院から2人の患者さんが転院してきた。

 ひとりは大学病院からで、悪性リンパ腫の62歳女性。昨年1月に黄疸と息切れがあり、胸部X線で胸水貯留を認めて、受診した近医から地域の基幹病院呼吸器内科に紹介された。

 胸水検査では悪性所見はなく、原因不明だった。溶血所見があり、血液内科外来(大学病院から出張)に回された。外来でプレドニン投与が開始されたが改善がなく、大学病院の血液内科に入院した。

 全身CT検査で胸水貯留と卵巣腫瘍を認めて、溶血性貧血と居水貯留は卵巣腫瘍によるものと判断された。婦人科で卵巣摘出術を受けたが、病理の結果は悪性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma)だった。胸水穿刺も再検されて、陽性(悪性リンパ腫)と診断された。

 血液内科でR-CHOP療法を受けて、一時的に完全奏功(CR)?となったが、2か月後には再発したそうだ。その後は4種類の癌化学療法が行われたが、効果は限定的で、治療継続は困難と判断された。緩和ケアの方針となって、オピオイドが開始された

 転院時はオキシコンチン40mg/日+オキノーム5mgレスキュー使用だったが、疼痛は治まっておらず、明日から定期量を1.5倍にして、レスキューも倍にした。大学病院で何度か胸水穿刺が行われていて、紹介状には今後も必要時はお願いしますとあるが、何とかしないですませたい。酸素吸入もしているが、見守り・軽介助でトイレ歩行はできる。

 大学病院の予後見込みは2~3か月とあったが、急変もありうる。昨日転院してきた時に夫と相談したが、もし一時的な自宅退院を希望するならば今しかないとお話した(いつ再入院しても、という退院だが)。1か月くらい様子を見てからと思っていると動けない病状になる。病状悪化時の最終的な対応についてはDNRとなった。

 

 先月末に膵頭部癌・閉塞性黄疸で救急搬入された92歳男性は、内視鏡的胆道ドレナージ目的で消化器病センターのある専門病院に搬送していた。その後担当の先生から連絡が来て、内視鏡の十二指腸への挿入自体時間がかかり、胆道ドレナージはできなかったそうだ。他のドレナージ方法について家族と相談したが、リスクもある処置は希望されず、緩和ケアのみの方針となったという。

 昨日当院に転院してきた。前日に一過性の意識障害をきたし、幸いに回復したが、脳血管障害(TIA)かトルソー症候群が疑われたそうだ。民間救急車の予定が、病院車でドクター同乗での転院だった。朝に前日のエピソードの報告があり、転院可能かどうか改めて訊かれたが、もちろん依存はない。重症の救急患者さんを引き受けてもらうためには、残念ながら専門的治療の対象にならない患者さんを引き取る必要がある。

 搬送時よりも黄疸は一層進んで、どのくらいもつかわからないが、日にちの単位と予想された。家族と相談して、DNRの方針となった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脊髄炎

2018年06月05日 | Weblog

 昨日の当直帯に入ったばかりの時に、29歳男性が左半身の脱力としびれで救急外来を受診した。38℃の発熱もあった。朝から左上肢に症状が出て、次第に下肢にまで及んできたという。

 夕方に受診した急性腎盂腎炎の80歳代女性の入院の手続きをしている時に、当直の外科医から相談された。外科医は4月から来ている内科の若い先生(内科専攻医1年目)の先生も呼んだので、先に診てくれた。

 意識は清明で項部硬直はない。左顔面の違和感もあった。脳炎・髄膜炎とは言えないが、さて何だろうということになった。症状が進行しているので、明日まで経過観察というのは危ないと思われた。

 時間外になるが、神経内科医のそろっている(5名)地域の基幹病院に外科医が連絡した。神経内科医に連絡がついて、専攻医の先生も神経所見を伝えた。まず当院でMRを検査して、ということだった。

 頭部MRIでは所見がなかった。次いで頸髄MRIを行うと、頸髄の高信号域があった(T2)。これは有意な所見でいいのだろう。再度電話でMRの結果を伝えると、受けてもらえることになった。何とか家族の車で行けなくはないが、救急搬送してほしいということだったので、そうさせてもらった。

 内科の若い先生は(今のところ)神経内科志望で、「エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI」を持っていた。いくつかの神経疾患のMRI像を見せてもらったが良くわからない。当方としては、これは神経内科の疾患と判断したところで終了になる。正解を知りたいですね、ということで昨日の診療は終わった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また意識消失

2018年06月04日 | Weblog

 昨日の日曜日の日直で、15歳女性が部活中の意識消失したと救急隊から連絡があった。搬入依頼ではなく、どうしましょうかという相談だった。救急隊では何度も救急搬送していて、事情もわかっていた。名前を聞いて聞き覚えがあると思ったが、昨年に1回診ていた。症状も同じだった。

 救急隊員は、hand drop試験をすると顔を避けます、用手的に開眼させようとすると白目になります(眼球を上転させる)と言う。当地域には精神科病院があるが、休日に引き受けたりはしない。これまでも30分くらいで治っていたので、そのまま当院に搬入してもらった。

 一昨年夏の学校の病院見学中に突然倒れて意識消失が続いた。JCSだと300になる。ストレッチャーに乗せて、いろいろ検査しているうちにすっかり治った。その時は救急当番の外科医が対応して、繰り返す時は小児科外来へと記載されている。その前から学校で時々同じことがあったが、短時間で意識が戻るので受診はしていなかったらしい。

 昨年1月にも同様に突然倒れて(外傷はない)、意識消失がしばらく続いて救急搬入された。意識がすっかり戻って帰宅した。2月の救急搬入時に当方が対応した。検査されていなかったので、頭部MRIを検査したが、異常はなかった。年齢低には小児科の扱いになり、小児科医がてんかんを専門にしている。入院して脳波検査が行われたが、異常はなかった。3月にも救急搬入されていた。

 今年の2月に救急搬入された時には、また小児科に入院して脳波検査が再検されたが異常はなかった。小児科医の結論は、心因性非てんかん性発作(psychogenic non-epileptic sezure:PNES)だった。そして昨日当方が見たのだった。

  搬入時は呼名に反応せず、一応形通りに疼痛刺激を加えると、一瞬顔が我慢してこらえる様になる(しなくてもよかった)。いつもと同じだった。ただ昨日は暑い日でほかにも熱中症の患者さんが来ていた。運動服を来て汗をかいていたので、熱中症の要素も加わっていると判断された。500mlの点滴を2本入れて経過をみることにした。

 点滴が1本半が入ったころに見にいくと、家族に囲まれてニコニコしていた。点滴は途中で中止してそのまま帰宅とした。下の兄弟に重度の脳性麻痺があり、両親の関心がどうしてもそちらに向くことを小児科医が記載していた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

深部静脈血栓症

2018年06月03日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。86歳女性がショートステイ先の施設から救急搬送されてきた。朝に見回った時に左下肢の浮腫に気付いたそうだ。ご本人はしびれて感覚がおかしいと訴えた。

 ふだんは自己免疫性肝炎でプレドニンを内服している(診断は大学病院)。ステロイド糖尿病で以前インスリン注射をしていたが、現在はDPP4阻害薬のみになっていた。HbA1cは8%前後で年齢を考慮すればこのくらいでいいいとしていた。

 左下肢は大腿部から下腿まで浮腫があり、把握痛ははっきりしないが、一部にチアノーゼを認めた。両側の足背動脈は触知良好だった。片側の浮腫なので、深部静脈血栓症が疑われる。呼吸困難はなく、酸素飽和度の低下はなかった。

 胸部~下肢の造影CTを行うと、左腸骨静脈から末梢が造影されなかった。深部静脈血栓症だった。左肺動脈の末梢の枝で血管腔の半分が造影さえないように見えるが、あるとしても肺血栓塞栓症としても被害は少ない。

 普段は抗凝固薬も抗血小板薬も使用していない。ステロイド使用もあるが、ADLが全介助で車いす移乗くらいなので、発症してもおかしくない。ちょうど外科当番の血管外科医で院内にいたので、CTを見てもらってそのまま入院で診てもらうことになった。早速ヘパリンが開始された。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「疲れました」

2018年06月02日 | Weblog

 今月半ばから67歳女性が動悸などを訴えて入院していた。内科の若い先生(専攻医)が担当していた。精神科病院に通院を始めたばかりで、抗うつ薬(SSRI)が処方されていた。

 動悸がある時の心電図でも異常はなく、身体の異なった部位の痛みを訴えたりしていた。心気症の患者さんがいるなあと見ていた。電子カルテにサインがあるので見てみると「夫がクレーマーなので注意」ということだった。

 そのうちにナースステーションで何か自分のことを言っている、言っているのが見えるなどと言い始めた。当院で抗精神薬を処方することも考えたが、若い先生は精神科の担当医に連絡して、当院は退院にして精神科の外来を受診してもらうことになった。退院する時に、夫が当院に入院したせいで悪くなった、病院の対応が悪い、と看護師さんに散々言っていたそうだ。

 精神科病院の外来は受診したらしいが、詳しいことはわからない。少なくとも入院にはならなかった。その後入院時と同じような訴えで、救急搬入された。救急当番は神経内科医だったが、検査に異常ないので帰宅とした。恰幅のいい先生なのでクレーマーの夫も気後れしたらしい。

 その日の当直は入院で担当した内科の若い先生だったが、準夜帯で1回深夜帯で1回救急搬入された。いろいろもめたが、入院は拒否してそれぞれ帰宅した。朝方にまた救急要請したが、当院には行きたくないと言って、不搬送になったそうだ。若い先生は「本当に疲れました」と言っていた。自分がキレるのを抑えるのがやっとだったという。

 当初は先生のおかげでなどと言っていたのに、途中から悪者にされましたと言っていた。好かれると大変なので、少し嫌われてむしろ自分の時は受診しないようになるくらいがちょうどいいと教えた。内科疾患がないことは確認しているので、あとは精神科にまかせるのがいい。若い先生には、春日武彦先生のケアネットDVD「精神科入門 負けるが勝ち」や必読の著書「はじめての精神科」で勉強してもらおう。

 精神科にちゃんと通院するかどうかもわからないし、精神科でも神経症~人格障害の領域は有効な処方もないのであまり扱いたがらない。抗精神薬をうまく使いたいところだが、まず内服しないので難しい。この患者さんでは、夫の問題もあるので対応は困難を極める。夫の患者さんに対する言い方が相当ストレスになっているようです、と救急外来の看護師さんが言っていた。そのうちまた救急搬送されてくるのだろう。

 

 「大船本」を購入してみたが、今後大船に行く機会があるかというと、今のところはない。JRで鎌倉に行く時に通って、江の島から湘南モノレールに載って大船に戻ったが、通り過ぎただけだった。

大船本 (エイムック 4087)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虫垂炎/腸間膜脂肪織炎?

2018年06月01日 | Weblog

 外科医が産婦人科医に94歳女性のことで相談していた。先週末に右下腹部痛で入院して、3日後に虫垂炎として手術されたという経緯だった。。

 病理所見は虫垂は壁肥厚があるものの炎症像はなく、虫垂周囲に炎症像があるので虫垂炎以外の炎症かというものだった。それで婦人科疾患はあるでしょうか、と相談していたのだった。CTでは回盲部周囲の脂肪織に炎症像が広がり、その中に壁肥厚した虫垂があるので、虫垂炎でいいようにも判断される。放射線科の読影レポートは腸間膜脂肪織炎になっていたが。

 外科医に訊いてみると、腹水が貯留していて、(腸管の処理前の)腹水培養から大腸菌が検出されていた。腸間膜脂肪組織炎で菌が出るだろうかと言っていたが、腸管の穿孔がなくても炎症によりtranslocationはありうるか。

 なかなか難しい。内科では判断がつかないので、こういうのは外科判断になる。保存的に経過をみるのもあるのだろうが、外科は症状や腹部所見(腹膜刺激症状)などを総合的に判断して手術している。術後は解熱して、炎症反応も改善していた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする