アカデミー作品賞/監督賞/美術賞/作曲賞
かわいい映画でした!アートなブルーっぽいプロモーション・イメージではちょっと不気味さが前面に出ていてあまり惹かれなかったのですが、トトロ監督さんの作るものだから・・・、と見てよかった!
半魚人の顔は見てのお楽しみだったのか映画で初めて見ましたが、さすがピグモン好きの監督だけあって、ブス可愛かったです。ピグモン、ブルテリア、パグに通じる目が離れた可愛らしさというのか・・・この顔で首をかしげられたら、私も頭差し出しちゃいます。
孤独だけど感受性の強い女性イライザが、言葉で分かり合う人間よりも言葉の必要のない獣に惹かれる気持ちがわかります。例えば自分以外全員英語ネイティブ白人のパーティーに行った時とか、一生懸命個々で通じる人と会話もするけど、全員で一斉に話したりする時ついていけなくなったり、集中力が切れた時に、その家に犬がいたりするともうその犬と自分だけでいいや・・・とホッとする気持ちを思い出しました。
孤児で障害のあるイライザの周りは、年寄りで時代遅れの絵描きでゲイの隣人とか、黒人のゼルダ、ソ連スパイと、これでもか!とマイノリティ弱者が全員集合していて、悪者がアメリカ白人男性の地位のある成功者ってのもまた、なんか、すごい。そのストリックランドがアメリカ富とパワーの象徴のようにキャデラックを買うのも美人でグラマーな奥さんいるのも、顔つきも、60年代のアメコミを絵に描いたようなキャラだった。
半魚人の謎の生き物は、ずっと野生の生き物だけど知性があるイルカの人間化みたいな存在感でしたが(その割にはスタイルがモデル並みによさすぎるのが私には違和感でしたが)ラストでその力を発揮した時にはスカッとしました。ミスター・アメコミ様を見ろ!!って心で叫びました。
アメリカの権威であるアカデミー賞が、この作品を評価したということで、私のアメリカのイメージが急上昇しました。時代が本当に流れているのだ、人間の意志で変われる国なんだと思いました。(それが市井の人々にまで浸透するかは別として。トランプが当選した時、アメリカには最先端の人だけでないことを初めて意識したので・・・)
細かいところの感想では、映画「ドリーム」でもそうだったけれど、女性にはたとえ清掃係りの仕事用でもやはり靴はハイヒールしかないのが嫌だと思いました。ゼルダがいつも足が痛い痛いと言ってたしやはり慣れても痛いのですね。
絵描きの隣人ジャイルズさんち、ベッドが壁に折りたためるとか、猫のいるアパート暮らしってところでオードリー・ヘップバーンの世界で住み心地よさそうです。
しかし猫好きとしてはあの猫は全部食べられたのかどうか気になります。自然の捕食として仕方ないけど完食してもらいたい。それとも猫に脅されて反射的に攻撃しただけなのかな。
私トトロ監督の作品は「クリムゾン・ピーク」以外見てないので、「パンズ・ラビリンス」も見るぞ〜