私の職場のボスはとても性格がひねくれています。ひとこと目はまず否定から。否定でも口を開くだけいい方で、スルーされて困ることもたびたびあります。
フロントチームだけではなく、他部署にもそうなので困られたり怒らせたり。
そして彼はフロントスタッフであるにもかかわらず究極の面倒くさがりなので、ゲスト(宿泊客)にサービスを求められると文句を言い、後輩スタッフにはそれを真に受けてゲストに冷たく当たる人もいちゃったりするので、もっと上層部へのクレームまで発生しています!
先日ボスの勝手な勘違いで私のこともひどい言いようだったので、人の尊厳をわざと傷つけて勝とうとする嫌な性格はどこから来たのかと考えてみたら、
彼がスイスとイギリスの寄宿学校へ行ったことに思い当たったんです!
いじめっ子は自分がどこかでされたことを、仕返しに人にしています。
ボスは私と同世代なので、ふつうの高校や大学の留学でさえも珍しかった時代に、自分が望んだわけでもないのに親に、まず日本のインターナショナルスクールに、そしてその後ヨーロッパに行かされたんですね。
うらやましい親と環境じゃないか〜〜〜と思うのは私だけじゃないですよね?
おかげで彼はイギリスの高校生がとる国語(つまり英語)の最終単位もとってるし、スイス時代にドイツ語とフランス語も覚えたそう。
でもね、帰国子女と違って親はいない環境に、外国に一人で子供が行かされた。しかもスイスといえば世界の富が集まるところであり、当時アジアはまだ発展途上で中国も韓国もシンガポールも貧乏だった。金持ちの白人社会に投げ込まれて彼は学校でたった一人の極東人であったのは想像に難くありません。
その昔大人の夏目漱石でさえもイギリス留学で精神を病んだというではありませんか。1970年代のロンドンでもフレディ・マーキュリーは「パキ!」と人種差別受けていたではありませんか。
ボスがどんな少年時代を過ごしたのかは、彼が認知症のお母さんを施設に入れた時に「やられた通りにやり返してやったぜ」という一言を聞いた時に「あ、辛かったんだ」と私は初めて気づきました。
地方都市のサラリーマン家庭で育った私には、家族で海外に住んでた帰国子女の人たちや、外国の大学や学校を卒業した(外国人は学費も高く生活費もかかるので裕福な家庭でないとできない)という人たちは単純に羨ましいなあ〜!と思ってたので、目からウロコの気づきでした。
気づいてから周りを見ると、英語も仕事もできる人たちはだいたい自分の希望で留学したり海外で働いたことがある人。帰国子女という立場で、つまり親の都合で海外生活を送った人には、英語はできるけど仕事や人に対して消極的で気弱そうな人が多いです。ボスのように子供のうちから寄宿学校というのは初めてのパターンですが、攻撃性を身につけて差別から自衛するのでしょうか。
ボスは口と性格は悪いけど仕事には口うるさくなく、自分が遅刻魔なので勤務時間にはユルく、暇なときに早めに帰してくれてタイムカードは定刻に押してくれたこともあります。
そして何より、希望したお休みはほぼ100%叶えてくれるのが最高です。
ボスのコンプレックスを刺激しないよう、下手に、申し訳ないという態度で望めば。