Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

2021-09-09 10:10:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


最後の007=ボンドを演じるということで「Being James Bond」なるインタビュー映像も話題になっているダニエル・クレイグが名探偵をやっている「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」という去年の映画を見ました。

クリスティに捧ぐという監督・脚本家の言葉もあり、クリスティは好きなので何度か見ようと配信に来てから出だしを見ておきながら、冒頭の70年代っぽい暗〜いお屋敷のアメリカのメイドさんのシーンがどうも苦手で入っていけなく今頃になりました。

少し前の映画ということでネタバレします。

結論!ダニエル・クレイグのブロンドはなぜかセクシーだけどファンではないし、クリス・エヴァンズの長い睫毛は好きだけどファンではないし、お金持ちのお屋敷と遺産相続をめぐる探偵物としてはまあまあだったかな。

とりあえず相続人となるナースのマルタがそこそこ可愛く善人なので入って行きやすく、映画としてはラストどうなるの?!という楽しさがありました。

特にワクワクしたのは隠し窓。



一見、エンジェルにも見えるゴシックな絵が、ケン・ラッセルのその名も「ゴシック」の小鬼にも見えます。この絵の後ろに本物の窓があり人が入ってくると同じ構図になるのがいいです。

ちょっと消化不良が残るのが、ダニエルの私立探偵がなぜゴリゴリの南部英語なのかとか、

自殺した売れっ子推理小説家のお母さん(85歳のお母さんって103歳くらい?)が一人で介護の人もなく生活してるのにほとんど喋らず、でも彼女の一言が推理の決め手になったというのにそれ以上の役割を果たしてないとか、

どうも刑事ドラマの見過ぎなのか謎めいた仕掛けには伏線を期待し過ぎのようです!

それにモルヒネと鎮痛剤が入れ替わっていたというトリックは瓶を見た瞬間に頭に浮かんでしまって、どんでん返しがなさすぎました。

しかしですね、個人的にこの映画を見てよかったのは・・・

ほんとに個人的ですけどまあこう言う例もあるので書いておきます。

結局自分にたかる自堕落で強欲な子孫ではなく献身的なナースを遺産相続人とした売れっ子富豪作家。これもドラマの見過ぎか、マルタとはほんとに何の関係もないのかなと最後まで疑ってたのですが(汚れた心ですみません)、やはり雇い主とナースの関係だったようで一安心。

実は私がコンシェルジュとして勤務するサービスアパートメントに89歳の学者の先生が住んでいて、他のスタッフは特別扱いしないほうがいいという人もいるんですが、さすがにそのお年で、しかも文学者なので専門の方はつい最近全集本を出すなど頭が冴えてますが生活の細々はもともと芸術家肌なので不得意なはず。私はかわいいおじいちゃんとしてサポートしてたんです。しかし最近名前を聞かれたり別のスタッフに「感じがいい人」と言ってたというのを聞いてちょっとビビってまして。受付に近づいてきたら避けてしまったりしてたんですが、この映画で高齢の老人と献身的な使用人の健全な関係を見たらやっとビビリが溶けてきました。

やはりドラマの見過ぎの考えすぎでしたね。