Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

エクソダス Don't Leave Me Alone With Her

2022-07-18 11:20:09 | スパークス

こちらの曲も予備知識なしで聴いて「え?!」となりお気に入りとなった曲のひとつです。

アルバムは「プロパガンダ/恋の自己顕示」から。有名な「家には帰れない/NEVER TURN YOUR BACK ON MOTHER EARTH」などに比べ第1印象は弱めだったのですが、タイトルの意味、「彼女とふたりにしないで」がまず「え?」、サビもその通りに珍しく聞き取れてしかも心の叫びとばかりに訴えているのです。ポップソングなら「彼女とふたりにして」が通常じゃないの?

それで歌詞を見たら、1行目から「The Exodus is on」・・・ Exodus?エクソダス?

リドリー・スコットの2014年の映画が浮かびましたが、意味を調べたら「出エジプト記」なるほどなるほど、奴隷にされていたイスラエル人のエジプト脱出=転じて大量出国の意らしい。しかし歌詞の続きはこう。

The Exodus is on 出国が始まった
The impetus is gone 盛り上がりは過ぎた
Nobody's having fun 誰も楽しくなさそう
How about another drink もう1杯飲まない
Or maybe just a snack それとも何か食べる
The rest will be here soon すぐ何かもらってくるからさ
Here, let me take your mac コートは僕がとってくるからさ
I know its started slow ダラダラしてきたよね
There's still no need to go でもまだ行かなくていいじゃない

どうやら大勢集まったパーティーがお開きの雰囲気になって来て人が帰りだしたのを「Exodus」と!

語り手はそれに気づき、みんなが立ち去るのを阻止しようとしてるんですね。ということは彼は彼女と一緒に住んでるようですね。

Don't leave me alone with her  僕と彼女を残して行かないで
Every home is Rome alone with her 彼女と一緒にいたらどこでもローマなんだから
And if you all go, who'll say no to her みんな行っちゃったら誰が彼女にノーと言うの
Don't leave me alone with her   僕と彼女を残して行かないで
Don't my sweat and shaking register  僕の汗と震えを記録しないで
Cause if you all go, who'll say no to her  だってみんな行っちゃったら誰が彼女にノーと言うんだよう

ローマ?出エジプトでしょ、なぜローマ?と思ったら、イスラエル人がエジプトで奴隷にされてる間、イスラエルの地は何度もローマ帝王に支配されてるのでした。まあつまり彼女に支配されてるのですね。

You look at her and say, "She looks OK to me" 君が彼女を見て「彼女大丈夫に見えるけどな」と言う
I look at her and say, "She looks OK to me" 僕が彼女を見て「彼女大丈夫に見える」と言う
The reason's very clear  理由はハッキリしきってる
You're watching her with me 君が一緒に彼女を見てるからだよ

Unwitting chaperons, how come you cannot see 無意識のお目付け役の方々、どうしてわからないの
Unwitting chaperons, how come you cannot see 無意識のお目付け役の方々、どうしてわからないの
A Hitler wearing heels ヒールを履いたヒットラー
A soft Simon Legree やさしい奴隷商サイモン・リグリー
A Hun with honey skin ハチミツのお肌の鬼畜ドイツ人
De Sade who makes good tea 美味しいお茶を入れるサド
Don't leave me here to be そこに僕を置いてかないで
Don't leave me here to be? そこに僕を置いてかないね?

とまあ、あらあら相当怖い彼女のようで。二人きりにされたら鞭でも出てくるんでしょうか。ロン兄さん女性に弱そうだけど付き合うと奴隷にされちゃうんですかね。絵になります~。

そしてこの詩をキャンキャン泣き叫ぶ子犬のように歌い上げるラッセル。ヒールと鞭の暴君美女におびえる姿が似合いすぎる!この1975年ごろのラッセルめっちゃ細かったし、か弱い美青年がいたぶられる図を妄想!

エクソダスからドゥ・サドまで歴史や文学の姿を借りたマゾ男の曲でしたか・・・スキ。