スパークスの「アスタ・マニヤーナ・ムッシュ」という曲は人気アルバム「キモノ・マイ・ハウス」に入っています。今年アップルのTVCMにも使われた大ヒット曲「ディス・タウン」や「アマチュア・アワー」に気を取られ、スペイン語圏の曲らしき、あまり興味ないかも・・・と放置してました。
しかし「アスタ・マニヤーナ」はスペイン語で「ムッシュ」はフランス語じゃないですか、そして歌詞に「キモノ・マイ・ハウス」って出てくるんですよ、何なん?って思って歌詞読んでビックリ・・・!!(ラッセルの歌は耳で聞いてもさっぱりわからない!悲しい英語力と思ったらニール・ゲイマンでさえ歌詞カードをじっくり読まないと解読できないとドキュメンタリー映画で言ってた!)
外国に来て、現地のツアーガイドのお姉さんにのぼせてしまった語り手のお兄さんが、外国語の壁と女の子へのセクシャルな行為以外の興味をおろそかにしてしまったために彼女に逃げられて後悔している・・・
という歌だったのです!
この曲が書かれたのは、1974年の初のヒットアルバム発売前なので、ロン&ラッセル兄弟がロックスターになる前のこと。とは言え、ロックミュージシャンが外国の女の子にもモテるのは売れてなくてもあるでしょうから、この歌がロンかラッセルかもしかしたらふたりの経験にインスパイアされてできた可能性もある。
妄想がそっちに行ってしまいましたが、まあ旅先のロマンスとは普遍的にあるもの、言葉が通じなくてもそれは起こり得るもの、だけど語学ができなかったために、逃したお魚を想う人がいて、それに気づき、曲にする男がいたなんて・・・というショックが・・・スパークスの曲は「これを感じる、考える人が自分以外にもいたのか・・・?!」と歌詞を知ると心の琴線を握られてしまうのです。
この曲の語り手は、スペイン語とフランス語の区別もついてないくらい語学には無頓着で、しかも彼女が哲学者カントの話をしているのに「ぼくの国にはそんなお下品な言葉を使う女の子なんていない」なんて思っちゃうし、1行のセリフに「Kimono my house mon amour」って3ヶ国語入ってるし「この行為には言葉はいらないと思ってた」けど「ミシュラン・ガイドと半分空になった外国のベッド」を残して彼女がいなくなってしまってから「ぼくは間違ってたみたい」と気づく。
こんな歌をペンギンさんみたいに手を振って1974年のラッセルが歌ったんですよ〜あ〜カワイイ!今でもカワイイけど・・・
*「Kimono my house 」は実は「Come On A My House」というアメリカ歌手ローズマリー・クルーニーの曲の言葉遊びなんだそうです。ロン兄貴が言ってました。ですので「Kimono my house mon amour」は「うちにおいで大好きな君」を外国語っぽく頑張ってみたのですね。
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