日比谷公園内にある日比谷図書文化館にて河合祥一郎先生による講座に行ってきました。
「こんなに面白かったシェイクスピア」という著書で河合先生が私のような知識ゼロにでもわかるお話を書いてくれたので、題材がシェイクスピアの中でも私が苦手な「リア王」でもOKかな〜っと思ったのです。
上の写真のような1ページに9コマのハンドアウトが9ページも配られましたので、メモの必要もなくバッチリ!!
そして内容も、とてもシェイクスピアの哲学に納得でき、実用的なんだな!とありがたいものでした。
究極の結論だけ書きますと、
シェイクスピアの哲学=ストア派
つまり
ストイックに正しいことをして徳を積みより良い人間を目指す
キャラで言うと、
ハムレットやブルータス
おおおおお!そうか〜!「高潔なベン・ウィショー・・・じゃなかったブルータス」とはそういうことだったのか・・・
しかし、
これが高じて独善的となり本人に悲劇が
そこで
ユマニズム(人文主義)でもって人間の愚かさを認めどんな価値観だろうが愛と思いやりをね!
・・・ってことなんだそうです!スッキリ!
もう一言
シェイクスピアの特徴:オクシモロン
なにこれ?!ポケモンみたいな・・・
英語で OXY(賢い)MORON(愚か)
そうだ、よく反語が=で結ばれるセリフが出てきてわけわからないのありますが、
道化が賢いという、ソクラテスの「無知の知」(賢い人は自分が知らないことがあると知っている)。
なんか妙に納得・・・
この講座、私も(いつかロジャー・アラムがリア王を演じる時のための予習として)行きたかったのですが、出勤につき涙をのみました。それだけにしましまさんのレポに感謝です。
>「ストイックに正しいことをして徳を積みより良い人間を目指す」
はて、ハムレットやブルータスはともかく、「リア王」でそんな殊勝な行いをするのは誰でしょう……? エドモンドにはめられたエドガーとか?
いずれにせよ、「リア王」を観て「だ〜か〜ら、子供に介護してもらおうと思って生前に財産分与をするのは大間違いなんだよ」とか思ってる私とはえらい違いですw
最近字数の多い記事が増えてきたので減らそうとして肝心のことを書き忘れてしまいました。
「ストイックに正しいことをして徳を積みより良い人間を目指す」のは
三女コーディリアです!!!
長女次女と違い、おべんちゃらの言えないコーディリアは本当のことを言うのが愛だと信じ
お父さんが聞きたくないことを言って、愛していることをわかってもらえない。
「正しさ」を想定してそれを守るのが「徳」というのがストア派だけど、
絶対的善というものが存在しないなら、自分が正しいと思っている人間は愚かなのかも。
あらゆる人間の愚かさを認めよう・・・
・・・ってシェイクスピア先生の懐の深さがありがたいありがたい。
>>生前に財産分与をするのは大間違い
本当だからこの話シェイクスピアの中でもリアルで暗くて苦手なんです。
誰かと思えば、まさかのコーディリア……!!!
「まさか」呼ばわりは失礼かもしれませんけど、でもコーデリアが「リア王」という芝居の中で登場する場面ってすごく少ないんですもの。
>「正しさ」を想定してそれを守るのが「徳」
小学生の頃から「噓も方便」と母親から教わってきた腹黒京女の末裔たる私ときたら、そんなこと考えだにしませんでしたわw
そんな私にとっては、当然、ある程度の世間知と癇癪親父のトリセツを心得た二人の意地悪姉さんのほうが、いい年して「誠実」ですべてが解決すると思っているコーディリアよりずっと好ましい。河合先生のスコア哲学論に水を差すとは身の程知らずもいいとこだとは思いますが、でも、ある程度以上の年齢のオッサンがコーディリアを理想として美化するのって、「自分の娘にはこうあってほしい」という願望がダダ漏れのような気がしてならないんです。自分がどんなに勝手気ままに怒鳴り散らしたとしても、娘にはいつまでも「お父様♡」とうるうるな瞳で尊敬しててもらいたい、みたいな。
……すみません、めっちゃ腹黒コメントになってしまいました。
>>コーデリアが「リア王」という芝居の中で登場する場面ってすごく少ない
確かに!それに、高潔さを象徴するキャラに女性も入るとは、
正直シェイクスピアの時代だと思いつかなかったというか!
でも
>>いい年して「誠実」ですべてが解決すると思っているコーディリア
は、要領が悪い私にとっては結構共感できるキャラです。
でも高潔さの追求
↓
独善的
↓
散々な結果
と河合先生も言ってましたので。。。^^;
>>自分がどんなに勝手気ままに怒鳴り散らしたとしても、娘にはいつまでも「お父様♡」
まったくボケ爺いは困りますね。ボケてなくてもそれが王の威厳と勘違いして。
現実にもいますよねー強がってダメダメさを隠そうとする人。バレてないと思ってるのは本人だけ。