Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ひつじのショーン展

2016-08-20 21:32:00 | イギリス


昨日のポール・スミス展に引き続き、いよいよ22日までとなった「ひつじのショーン展」を見に松屋銀座へ行ってきました。ポスターのサイドカーには「GINZA」と書かれたステッカーが!大人1000yenとなかなかの入場料で、ちょっぴりそれだけの価値を疑ってかかり遅くなったというのもありましたが・・・

公式サイトより

やっぱり行ってよかったです!
ショーンのアニメ制作会社であるアードマン40周年記念でもあるこの企画では、アードマンのアーティスト(?)職人さん(?)のキャラクタースケッチの数々や、撮影した本物のセット&人形が見られたのですから!

公式サイトより


動画などで撮影現場も見たことはありましたが、やはり現物の威力というのは動画は改めて2次元であることを思い出させられます。特に去年劇場公開された「バック・トゥ・ホーム」のセットが、街にみんなを乗せて走って行ったトレーラーを始め、着いたバス・ストップ、病院の手術室、動物収容所、牧場主が美容師として働いたヘアサロン、セレブがディナーしてた高級レストランなどたくさんあって、また映画が見たくなってしまいました。

セットはかなり小さいのに、とても細かい部分まで凝って作られてあり、イギリス人の職人気質を見た思いです。私も仕事でこんなものを作ったら楽しいだろうなあ~~と思い巡らしました。きっと目が疲れて肩がこるんでしょうけど・・・

「ショーン展」と子供にもわかりやすいようにタイトルが付けられていますが、アードマンの、「ウォレスとグルミット」やティミーが主人公の「こひつじのティミー」を始めとする他の作品のスケッチとセットも展示されています。

ポール・スミス展では撮影OKだったのに、こちらは内部は撮影禁止。出口とショップの間の空間のここだけは撮影OKでした。うーん、やっぱりアードマンの作った本物のセットの方がいいなあ。



そして外には、人を狂わせるこんな恐ろしい巨大なスペースが!!



この、スーツケース用の、スーツケースに乗ったショーンのステッカーを買いました。グルミットが読んでる本のタイトルは「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイハウンド」。小さな小さな小道具の細部がまた本当に素晴らしく良くできてるんですよぉ~



帰り道、暗くなった銀座の街を歩きました。ショーンも旅したGINZA。




ポール・スミス展

2016-08-19 15:57:00 | ファッション
ポール・スミス展「HELLO MY NAME IS PAUL SMITH」へやっと行ってきました。7月から東京だったのでゆったり構えてたら、もう来週火曜日までに。

公式HPの映像でもざざっと展示の雰囲気はわかるので、ぜひリンク先をご覧くださいね。また「つべ」でもプレス公式のテレビ番組ダイジェスト動画が複数ありますので概要はそちらでも。

美術館によくある音声ガイドとして、ヘッドフォンを500円くらいでレンタルというのがありますが、こちらでは特製ピンクのイヤホンを無料配布してもらえ、ガイドは自分のスマホで聴けるという企画が大変に親切だと思いました。ヘッドフォンを借りるのって衛生上抵抗を感じるし・・・。

また、会場内に記念撮影ブースがあり、それをポストカードにしてもらえるとかSNS投稿できるというイベント性も楽しいです。私が撮影スポットを通った時は、年配のシックなご夫婦が仲良く撮影されていて、心温まりました。若い入場者が多い展覧会で年配の方を見かけるだけでも嬉しいですがデジタルツールを利用して幸せそうな高年者をロールモデルとして若い方達が見ているというのもいい。

では撮影OKだったので、私が気になったもの達をレポします。



上は1990年代によく見た「SKY」というメンズ雑誌のPOPだと思います。
なぜこれに目が止まったかというと、右二人のモデルと私は仕事をしたことがあってつい懐かしかったからです・・・。右の人はフランス人のジェローム、真ん中の人は、名前が思い出せない~私が働いていたメンズブランドのカタログでがっつり1日中スタジオにこもっていたというのに。可愛かったのに。



「裏切りのサーカス」のポスターです。サー・ポールは確か衣装協力ではなく、70年代のビジュアル特に色彩のアドバイザーだったと記憶してます。ポスターも製作したのからしら?右下にサインが入ってるんですが。



うふふふふ。なぜかフィレンツエのホテルのメモ用紙に描かれたスクリュー・ドライバー、ダーレク、ターディス。



クリケットの試合は延々と続くのですが、試合中にもお茶タイムがあると聞いてましたが、本当でした。



コラボのミニの正面ライト二つの間に、ブリテン島のオブジェが付いてました。このデコボコは何なのか不明。



数あるコラボ製品展示の中でも一際観客が素通り「HPソース」豪華化粧箱入り。



世界中のショップから、15店舗くらいの写真とマテリアルが展示されてました。イギリスやヨーロッパのは歴史的建築物のエレガントな、アメリカのはウルトラモダンなミニマル建築、東京のはイマイチつまらないなーと思いきや、京都店が秀逸。



同じくこれはロンドン店の一つなんですが、最も古い店のひとつでコベントガーデンのですね。私が初めてロンドンに行った、コベントガーデンの地理も把握してない時からあって、その頃はまだ紳士と子供服しかなくて、値段も格式も敷居も高かった。まるで個人博物館でものぞくように、捕って食われるかのような面持ちで勇気を出してロンドンのお店に入った頃の気持ちを思い出してキュンとなるお店です。


ところで展示のかなり初めの方に、70年代にオープンしたサーの初めての3×3mのショップがあります。動画にも出てきます。レプリカなので白1色ですが、作り付けの棚に丸いカーブがあってとっても私好みです。当時だと木製で味があったのでしょうね。サイズは小さくてもああいう愛らしいお部屋に住みたいなあ。

それと初めての展示会サロンのレプリカとして、パリのホテルの1室の衣装だなやベッドの上にサンプルを展示したお部屋もあり、それも70年代のことですが、実際に私が21世紀になってからロンドンやパリの展示サロンを回った時にもまだ、ホテルの部屋でサロンを開いていたブランドもありました。その時は、なんてヨーロッパ的なんだろうとちょっぴり感動したのを覚えています。ヒルトンなど有名なホテルのお部屋を見ることもできましたし。


メアリー・ポピンズ交渉中?!

2016-08-16 22:16:00 | ベン・ウィショー
今日は「ベン・ウィショーがメアリー・ポビンズの続編映画出演を交渉中」というThe Hollywood Reporterの独占記事のそのまた記事で、久しぶりにウィショーさんのニュースが駆け巡りました。

私が何にびっくりしたかというと、「ベン・ウィショーが~~~」と、しかもまだ「交渉中」という記事を複数のメディアがこぞって書きたてたことでした。

007の時も大作のおかげで随分プレスに露出はあったけれど、「ベン・ウィショーが」(しつこい)という書き出しの新作映画の記事をこんなにたくさん見たのが初めてな気がしてます。やはりディズニーというのが大きいのでしょうか。インディー映画とは違うのですね。ブロードウェイの次はハリウッド・・・そうか~~

主役はメアリー・ポビンズ(エミリー・ブラント)ですので脇役ですが、主役級の扱いな感じ。うるうる。

ウィショーさんの役の予定のマイケル・バンクスは、ポピンズがやってきた家の男の子で、新作では前の映画から20年後と・・・

まだ「交渉中」なのが気になりますけど、ディズニーのことだからフレディ・マーキュリーのバイオ映画のようなこじれ方はせず、交渉が決定後は計画通りに進行するのでしょうね。

メアリー・ポビンズ何年も前に何回か見たけど、また見ておいたほうがいいかな

1964年版

ハイ・ライズ

2016-08-15 22:55:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


トムヒの「ハイ・ライズ」見てきました。パンフレットを買う時、上のようなビジュアルにつきすぐにはわかりませんでした。タイトルが書いてないなんて革新的すぎです(笑)。

枕詞にどうしても「トムヒの」とついてしまうこの映画は、キャスティングがどの役の俳優もピッタリでした。トムヒ演じるラング医師は、映画の中で「自己完結型」と称されていましたがその一言につきました。だからこそ、テーマである「階級/建物の階」の上下を行ったり来たりできるのですね。

ただ、一応医師として彼の階級は中流です。それは40階建の25階に住むということでもハッキリ描かれています。

この映画はイギリスの作家J.G.バラードのベストセラー小説が原作になっていて、舞台は1970年代のSFです。しかし宇宙が舞台でもないし、謎の生物も出てこないので現実的なSFなので、逆に人間同士の暴力シーンがとても怖かったです。心理的な狂気の怖さの方を言いたいのでしょうけれども、実際に血が出るので怖いです・・・

で、シエナ・ミラーのキャラ、シャーロット曰く「ラングはこのビルの最高の備品」だそうで、私のトムヒ観を最も端的に表している!と思いました。ファンの方にとってはセクシーで萌え対象なのでしょうけれども、私にとっては完璧な人類の体現者みたいだからです。好きな俳優ではないんですけど、トムヒが備品についてるホテルとかあったら泊まってみたいし。

備品と言えば、このタワーマンション内にはスーパーマーケットがあるのですが、そこのレジ係の女性が美しい、と思ったらモデルもしているステイシー・マーティンという俳優でミュウミュウのショーやフレグランスのイメージモデルもやっているとのこと(パンフ)。道理で。この映画では髪におリボン、紅い口紅ですけど、骨格がしっかりとして細面の男前なルックスで素敵なんですよ。これからが楽しみです。

映画に出てくるのは集合住宅ビルで、70年代の新築ビルとパンフには書いてあるのですが、どうも新築には見えませんでした(笑)。ロンドンのバービカンみたいだな、と思ったら、トムヒもインタビューでそう言ってました。わ~い、トムヒと同意見なら間違いなし。しかし最上の5階分くらいが、上に行くに従って出張っているというデザインは神経を逆なでします。

ビルの上層階には、オーナーを初めとしてセレブな上流階級が住んでいますので、そこに住む女性達の70年代ハイファッションが本当に当時のヴォーグのように美しいです。シネマ・カフェ・ネットの記事に、キャラクター作りに使った上流の女性達のイメージ・ボードにはヘルムート・ニュートン、ギイ・ブルダン、サラ・ムーンといった写真家の作品を参考にしたとありましたが、私が彼女達を見ていて連想したのはまさにその世界でした。そして、そこで繰り広げられるパーティーというのが、白一色のロココファッションがドレスコードという凝りようで目が眩むとはこのことでした。パーティーがない時でもオーナーの奥さんのバルコニーに作った田舎風&フランス風庭園にはヤギとか馬がいて、70年代ファンタジーの世界そのもの。バルコニーと言ったってあれはビルの屋上と言った方が正しいかも。

でも見た目を美しくするためかと思いますが、ビルの表示フォントや、ビル内スーパーマーケットの製品のグラフィックあたりはあまり70年代せずに、シンプルで高級感を出しています。90年代あたりのデパート、ハーヴェイ・ニコルズのパッケージを思い出しました。

ビジュアルはカオスシーンを除いてよかったのですが、この映画の良さも悪さも70年代にあると思えてなりません。

原作が70年代なんだから仕方ありませんが、とにかくビル内の住人はパーティーをして交流するんです。エイズ前の時代だから乱交になるんですね、それが混沌へと繋がっていくように感じました。しかしネット時代の私達から見ると、そう言った閉鎖性は過去のものに思えます。高層マンションで人工的な暮らしを実際にしていても、ネットで世界とつながりながら、物理的には1世帯1世帯孤立しているのが現代なので、ビルの中だけの世界が外と孤立するという設定に無理を感じてしまいます。

ラストにシャーロットの息子がラジオを聞いていて、流れてくるのが多分あれはマーガレット・サッチャーでした。「政府の資本主義のあるとところには政治的自由はありえない」とかって言ってたかと。サッチャーは国営の民営化で国力増強を目指しましたが、そういう意味なのかな?息子は大人の混沌に対する新しい時代の象徴かと思ったのですが、ちょっとサッチャーの言葉とこの物語の関係がよくわからないままになってしまいました。どなたかお分かりになったかしら?

OUDSの「夏の夜の夢」

2016-08-14 21:52:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


オックスフォード大学演劇協会による講演を見てきました。2年前に「十二夜」を見て心底感激して以来、待ってました!というくらい楽しみにしていました。(去年は「ロミオとジュリエット」だったのですけど私が勝手にイギリスに行っていたためすれ違いで見れませんでした)あの時の作風とはまたちょっと違い、喜劇のドタバタさが加速しておりました。学生の劇団ですから、固まることなく、新しい感性と体力いっぱいのパワーでどんどん進化したり芸幅を広げるのが本望でしょうから、デガダンさがなくなったのは残念でしたが、今年も大いに楽しめました。

現実的すぎる話題で申し訳ありませんが、まずたったの2500円(一般チケット)本場の英語でシェイクスピアが見られて日本語字幕も付いているので、外食を1度我慢してでも見る価値が高いです。

前回は美術、衣装を含む演出とロックオペラのようなキャラ設定がツボど真ん中でしたが、今回は、ロック的な衣装や劇中の使用曲にロックもあるものの、コンテンポラリーダンスのような動きの表現がおもしろかったです。身体能力が高く動ける人が多いんです。ちょっとクラシックバレエを知ってるな、という人もいたけど、パックを初めとする妖精達は人間離れした動きが要求されます。特にパック役のアリくんというまだ2年を修了したばかりの役者さんは、役柄もあり最初から最後までスパイダーマンのような動きで、エキゾチックな外見もあり人間じゃない感を大いに振りまいてました。

まったく個人的にオヤ?と思ったのは、セリフの間に何度かぎこちなさを感じたこと。
もう偉そうに何?と自分でも思っているのですが、2年前に同じ学生協会のライブを見てから、私も生の舞台とNTLiveをいくつか見て慣れてきたのか、生まれて初めてそんなことを感じました。恐れ多くも役者さん達のタイミングが悪かったというよりも、私が次のセリフの出る時間を予想していたということが驚きです。


そうそう、ちょっと復習的に河合祥一郎の「あらすじで読むシェイクスピア全作品」を読んだら、おもしろい文化的なことが書いてありましたので紹介します。

・舞台の設定は4/30なのになぜ「Midsummer Night」がタイトルにつくのかというと、
 夏至祭での羽目の外しぶりを「夏至祭の狂気(マッドネス)と読んだからとのこと。

・また、このしっちゃかめっちゃかな夜集めた露や薬草には不思議な効能があるとされていたとのことで、それゆえシェイクスピアが惚れ薬を思いついたらしいです。