エディ・レッドメイン出演作の「GLORIOUS 39」(2009)邦題「ヒトラーコード39」を見ました。
あらすじを実は今書いたのですが、サスペンスでもあるのでやはり消してしまいました。
地元の名士の養女として育った女優が、イギリスで第二次世界大戦前に、ナチスドイツとの戦争をめぐる政治が絡んだ恐ろしい事件に巻き込まれていく話です。
スパイ物?政治もの?と重そうなテーマなのに、難しくありません!
実はこれ、日本では公開されなかったばかりでなく「ブラック・レコード~禁じられた記録~」という別の邦題まであり、おそらく「ヒトラー」はDVD用「ブラック」はWOWOWで放送した時のタイトルなんです。
旧作につきネタバレあり
タイトル通り1939年のお話なのでエディ演ずるラルフも刈り上げにゆったりめシルエットのズボン。「イミテーション・ゲーム」とほぼ同時代ですね。
ファッション的には「美しすぎる母」での70年代デカダンスの足元にも及ばないけど、役柄としては『いつものお坊っちゃま役か』と思わせて『悪魔エディの鋭い眼光』も拝めるという喜びがありました。
『お坊っちゃまで悪い』のは不細工な奴だったら単なるスネ夫かダドリー(ハリポタ)ですけど、議員の息子で外務省勤めイケメン家庭ではやんちゃな長男が悪いというのはもう怖いです~
イギリスの田舎とロンドンを舞台に、裕福な家族の話で豪華キャストなので華やかで、次々と目を奪われてキナ臭い話なのに飽きません。
主人公アン(養女):ロモーラ・ガライ
父:ビル・ナイ
弟:エディ・レッドメイン
妹:ジュノー・テンプル
恋人:チャーリー・コックス
恋人の友人:デヴィッド・テナント
同業者の俳優:ヒュー・ボネヴィル
アンの従兄弟:クリストファー・リー(現代)
ついでに現代のシーンのアンの妹の孫役Toby Regboも可愛かったです。
そして、やたらとお茶のシーンが出てきて、スクリーンに見入ってしまいました。
まずToby Regboと右端がクリストファー・リー。孫世代が歴史を調べてて質問に来たところ。いい年の兄弟がロンドンはセント・ポールのすぐ近くで同居していて、ティーセットは古くて由緒正しい感じだけど、ケーキはただのパウンドケーキ。でも礼儀正しいお返事できてます。
次は実はティーではなく、誕生日ディナーのテーブル。
田舎の家の庭にテントを設え、夏ならではのお楽しみ。
こちらは本当にティー。山盛りスコーンとジャムとクリーム。
エディのセリフはほとんどスキャマンダー先生・・・w
アンのおばさまの家。着いたら3段トレーが待っていた。
これは戦時下、各国大使が集まるパーティーの階下で、大使の子供たちもイギリス式パーティーにお呼ばれしてました。いいなあ、私もお酒よりも子供のお菓子のほうが好きかも。ビル・ナイとエディも来てくれる。
この山盛り特大トライフルを見よ!!!
それからこちらは子供部屋。
30年代だというのに現代の子供部屋とそう変わらないような。
(もちろん家庭によってはマーベルや今のアニメグッズでいっぱいの部屋もあるけど、子供用インテリア用品って結構こう言う趣味今でも変わってないのあります)ナイト(騎士)や馬のピンナップが可愛い。
幸せな名士の家庭が舞台なので、家族の会話もジェントルマンとレディらしく心地の良い言葉なのですが、数々の事件とともに家庭の謎が露わになるに従いアンの現実が違うものになっていく過程がスリリングで面白かったです。
最後に、原題の glorious は「輝ける、栄光の」などの意味ですが、映画ではラルフ(エディ)がアンにそう呼びかけるのです。それもあってのタイトルなんですが、字幕ではそのニックネームは一切使われてませんでした。
名士一家の養女ということで、しかも彼女がもらわれた後に実の子供が2人生まれているので、彼女だけが血のつながりがないのにニックネームがそれというのは皮肉だと思うんです。
だからタイトルの方も、1939年の夏は天気も良く素晴らしかったと言いながら、実はドイツとの関係をめぐり血の争いの始まったダークな年だし、この年に始まった戦争でイギリスは最終的に勝っているし皮肉な「栄光」だったという意味合いでつけられたのかなと思いました。