Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

博士と狂人

2020-10-21 19:02:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


1928年に発行されたオックスフォード英語大辞典を執筆・編集したエライ人の伝記映画でした。なぜ見たかと言いますと、大好きなオックスフォード関係というのと、オックスフォードといえばモースシリーズ「ルイス」のハサウェイことローレンス・フォックスさんも出演してらっしゃるというので、応援に行ったわけです。



辞書といえば、品詞、意味と用例が大事で、私などは英語のドラマ見るにも本を読むにもお世話になりっぱなしというか、なしでは理解不能!という恩人のような存在。しかしこれだって書いた人がいるというとは、そしてその作業が・・・この映画によれば狂人でもいなければ人の手に及ぶものではなかったとは知らなんだ・・・

正直言って、メル・ギブソンもショーン・ペンも興味がないけど、ローレンス・フォックスの他に、ナタリー・ドーマー、エディ・マーサン、スティーヴ・クーガン、ジェレミー・アーヴァインが脇を固めてくれていて助かりました。



戦争の恐ろしい出来事や、心の戦争後遺症で罪を犯し精神病院へ入院したドクターへのヴィクトリア時代の「治療」が恐ろしい恐ろしい映画でした。途中で逃げ出したくなりましたがコロナ中にモソモソと席を立って暗闇を人の膝を押しのけて出る勇気もなく、大作を最後まで見届けることができました。

二人の数奇な執筆過程もドラマチックではありますが、個人的に感動したのは現代的な演出かもしれないけど、ヴィクトリア時代にアメリカ人の精神病患者や、文盲の労働者階級の女性、クビになりそうな編集長の奥さんの人権がかなり尊重されていて、オックスフォードの偉い人たちや、果てはチャーチル首相までもが、庶民の話に耳を傾けてたことです。さすが「ことばの力」がテーマだけあって言葉が権威を動かす力を持ってるように描かれてました。



上がメル・ギブソンと本物のマレー博士。
下がショーン・ペンと本物の精神病患者で殺人犯で大辞典の執筆者。いやはや演技が鬼気迫りすぎて、このモノクロ写真が救い。


オックスフォードとローレンス・フォックスの出番はそんなに多くはありませんでしたが、「スノーホワイト/氷の王国」のコリン・モーガンに比べたらまだ許せる範囲でしたよ。


谷中レッドハウス

2020-10-20 16:04:00 | 近況
「英国の間取り」という本の参考文献で図書館にあるものを借りてみました。ある間取りのことを調べたかったからで、それはわからずじまいだったのですが、「英国住宅に魅せられて」という本の著者が手がけた日本のイギリス住宅が我が家から徒歩圏の谷中という町にもあることがわかりました。

それがこちらです。



アンティークボタンなどの展示と販売をしているギャラリーでもあります。コロナ対策で今は要予約となっていますが、今日は休日だったので外観だけ。



著者さんは英国建材を取り寄せて全国各地にイギリスの家を手がけていてすごいです。私には発想も資金もないですが、ある所にはあるもので特に八ヶ岳、軽井沢、箱根など緑多い土地の一軒家は窓から外を眺めても日本だということを忘れてしまいそう。

10/21追記: 
こちらの家の少し先に、もう1軒同じ建築事務所によるイギリス建築があることがよく本を読んだらわかりました。あなどれないご近所?!そちらにも今度行ってみたいです。


谷中はうちからは隣町みたいな距離ですが、一応、都心だけあってすごい密集ぶりながら、まだまだマンションに駆逐されず一軒家や小型の集合住宅が多く味わいがあります。

イギリスから引っ越してきた時、娘は幼稚園年長の年齢で最寄りの公立幼稚園がここ谷中でした。マンションが少ない地域は高齢化して子供が少なく、本当の最寄りの園はなくなっていたからです。

5歳の子供と歩くと30分近くかかった通園ですが、ロンドンの小学校もそれくらいの距離を歩いていたので私たち親子は手をつないでテクテク歩きました。幼稚園は送り迎えに1日2度も往復したこともあり、また幼稚園仲間から誘われてお寺の和尚さんがやる花火大会(と言ってもただ子供向けのをやるだけ)に行ったりと東京下町を堪能することができました。

その後だんだん私も仕事をし出して谷中の散歩はご無沙汰してましたが、新しい家や店も町の個性に合っているものが多くて東京下町パワーアップしてます。

最近増えたのは古本屋で、猫の本、絵本、サブカル本など店主の趣味からやってる系が多くて、つい買いそびれた「WE ❤️ BOB」というボブの写真集がないかな〜とのぞいてしまいます。あとモダンなカフェも増えてます。

幼稚園は遠くて不便なはずでしたがおかげで土地に詳しくなり今でも散策を楽しめています。

余談ですが、ロンドンでも切羽詰まって想定外の地下鉄の駅がないモルトレイクに住んだ経験が、今では甘酸っぱい思い出になっています。だいたい外国人は便利な地下鉄沿線で住むところを決めるので、地上の電車駅しかないところには少なく、つまりは地元のイギリス人の多いロンドン都心ぽくなく地方の田舎町のような良さがありました。

地下鉄はなくてもそこはロンドン、バス停が家の目の前にあり、バスでリッチモンドまで10分くらいでした。リッチモンドパークには徒歩で。

マイナーな町に住む良さは、観光客は絶対行かないような隣町やその隣町を知ることができて、隣町はバーンズというクイーンが売れない時代にみんなで住んでた家やスタジオがある町でした。またテムズ川沿いにキューガーデンにも歩いて行けて、産後の約1年、毎日ベビーカーを押して歩き回ってそれだけで楽しかったです。

谷中の幼稚園といいモルトレイクのフラットといい、最初は辺鄙なところで「なんでそんな場所に」ってなったものでしたが、蓋を開けてみたら大当たりで、人生思い通り、計画通りに行かなくても後からその巡り合わせにとても感謝することってあるものです。


SINGAPORE GRIP 6 完

2020-10-19 23:13:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
6にて完結してしまいました。おもしろかった!!!

日本軍は結局2年半ほどシンガポールを占領することになるのですが、ドラマのエピ1では植民地主義の大英帝国が謳歌していたこの世の春の末期だったのです。それで人種差別やウォルターたち財閥一家のやり放題を前半描き、真ん中あたりで戦争によるその崩壊、後半〜最終回ではイギリス人たち白人が先を争ってシンガポール脱出、残った白人と現地人たちは、日本軍に殺されるか捕虜になるかの二択だったところで終わります。まだ戦争は終わらずに、ストーリーは終わります。

よかったのは、日本軍というアジアの敵に白人天国を壊されたマシューの友人少佐が「結局シンガポール・グリップというのは西洋が東洋の文化と富を握っていたことかもなあ・・・」とつぶやき、



おちゃらけフランス人のフランソワに「違いますよー、シンガポールのご婦人には体内の筋肉を巧妙に使えるのがいて、その結果は大変に素晴らしいものだと、ボクは聞いてます」ってまたマジレスされてしまうんですが。



それとヴェラは2度シンガポール脱出を図りながら結局叶わず、マシューに同行したら日本軍から共産党員とされて命が危ないので、マシューに結婚を申し込まれるも、中国人として現地人に紛れる決意をします。

「あなたは一人で生き残れないから少佐やフランソワたちと一緒に行くのよ。私はサバイバルのプロだから一人で大丈夫。」と強い!!!アジアが舞台の名作「ミス・サイゴン」の待って耐える女を踏襲してない!

ヴェラはなあ、その生い立ちをドラマの中で語ってはいたけど「ロシアのプリンセスと中国のいい家の血を引いているけど孤児として一人で生きてきた」っていうのが作り話のようでいつ本性が出るのかと思ってましたが最後まで何も出なかったのが残念。。。どうも現実離れしすぎてて彼女の本心がわかりにくかった。イギリス人から見たらミステリアスな中国女だからそれでもいいのかなー



降伏して捕虜になり、イングランドの歌を合唱しながら、少佐がマシューに「今でも全ての人種が私欲を捨てる世の中になるって信じるのか」ときき、マシューの答えはイエスです。

ドラマが作られた21世紀になっても先進国に富が途上国から吸い上げられる図は変わってない中、脚本家が書きたかったセリフがこれじゃないでしょうか。

日本軍が勝ってる段階の第二次世界大戦なので、イギリス人はアジアで大変な目にあってます。救いはないです。その辺がイギリスでは評判が悪い一因かも。大英帝国の終焉は見たくないと。

でもやり放題財閥のウォルターは戦火に燃える自社の倉庫で正気を失いながらも、生き延びるんです。商売人魂は不滅!その続きに植民地を失いながらも沈む英国を支える富裕層が見えます。

ルーク・トレッダウェイ目当てに見たドラマでしたが、ルークは「男子を2倍良く見せる」と言われる眼鏡が似合わないことがよ〜くわかりました!日本軍のマシンガンに吹き飛ばされて眼鏡が落ちた時はカッコよかった。それに首が細いので軍服を着ていても本当に弱そうです。。。今回は「純真な理想主義者」だから役にはあってましたけど。

ホームレスの役だから汚いな〜と思ってた「ボブという名の猫」ではロングヘアだったので首が細いことに気づかなかったです。続編が今年の終わり(クリスマスの話なので)とも来年の終わりとも言われてますが、コロナでどうなるんでしょう。


Q Swatch到着

2020-10-18 00:00:00 | ベン・ウィショー


007のお店から、ついに7つの海と大陸を越えて我が家の畳の上までやってきました、Qのスォッチ時計です。

アマゾンと違って国外発送でもVAT(消費税)の免税はしてくれませんでした涙。送料がかかったけど、入荷のお知らせが日本のSWatchショップよりも早かったので国内を当てにして両方から買えなくなるよりとにかくポチった結果です。

Qのパソコン仕立てのボックス入り、というのも高ポイントというのに、茶封筒1枚(多少のクッション入り)で無事に届いたのはミラクルかも〜



Qが着てそうなカーディガンの上にて記念撮影。ふふふ。



着用すると文字盤のみですっかり手首片面が覆われる。。。



改めて見るとQ本人も華奢ですので、大して差はないか。



針が赤いのは私がイギリスで浮かれてるうちにSOLD OUTした春のモデルです。



ブルーの針バージョンでもお迎えできて嬉しい・・・・・しんみり。



英国の間取り

2020-10-17 21:32:00 | イギリス


密林に行きますと、中身が数ページサンプルとして載ってまして、図解でイギリスの家を紹介する本だとわかりましたので買ってみました。ナローボートからダウントン・アビーのロケ地ハイクレア城までと守備範囲が広いのが魅力のひとつ。

15世紀のチューダー様式から現代まで年表で様式をまとめ、それぞれの特徴を解説、その後で個人の家を詳しく図説しています。

著者が二級建築士で住宅設計プランナーというだけあって、「間取り」をきっちり描き込んでありカタログ的な良さがあります。

家ではないけれど、田舎に行くとある、羊を逃さないための上部に石が立ててある石塀が「ドライ・ストン・ウォーリング」という名だと知ることができました!

他に、下の鎧戸、今年オックスフォードのキーブルコレッジに泊まった時トイレの窓にこれが付いてたので「知ってる!」ってなりました^^ただしこれ、イタリアにもあります。



二次元の間取り図を色々見ているうちに、ロンドンでフラット探しをした時のことを思い出しました。子供があと2ヶ月で生まれる!という時で、とにかくあの時は新生児を迎えて初めての育児をしやすそうな家を基準にしたため、今思うとちょっと不便だけどヘンテコですごく好き!というフラットをいくつか見たのに住まなかったことが悔やまれてなりません。

下のような短い階段で少しの段差で小さめの部屋がいくつもあるヴィクトリアンハウスの上階とか子供が動き出したら危ないのでやめ、



ロンドンなのにかなり大きい家の一部としてレントに出ていたところは、離れの昔の使用人部屋ぽい独立空間で、「でも子供が生まれるからお風呂が欲しい」と私が言ったら、大家さんが斜め上を指差して見せてくれたのは本宅に通じるらしき通路の途中にバスタブがあって「もし必要ならもう一部屋使うこともできる」とその向こうの部屋も空いてると教えてくれました。今の私にこれがオフォーされたら絶対逃さないのにな〜!そのバスタブの位置というか環境がいわゆる小さなバスルームじゃなかったので、冬に寒くて風邪をひくかも・・・と思ったのでやめたんでした。ああ残念無念。