

短篇が二つ収録されている
何がきっかけか忘れたが、北海道に馬を描く画家がいる事を知っていた
今週で終わるNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」に、その画家がモデルになっているのではないか?と、なんとなく思っていた
先日、パソコンのデータ移行の時、お気に入りに彼のホームページが取ってあるのを発見@@
画家の名は神田日勝(かんだにっしょう)
「なつぞら」の天陽君と年齢も同年代だ
図書館で検索したら、芥川賞作家の高橋揆一郎の書いた本が見つかった
高橋揆一郎氏は昭和60年ごろに文化講演会の依頼を受けて、十勝の帯広や鹿追へ行き神田日勝の事を取材している
その時のことを克明に記してあるのがこの「未完の馬」
作者は取材から4年かかって出版にこぎつけたとあとがきに書いている
神田日勝は昭和12年東京都練馬に生まれ、終戦の年に一家で疎開農集団として北海道に渡る
子供の頃から絵を描いていたが、兄が東京の芸大に進み、日勝は農業に生きる事になる
その兄から油絵の手ほどきを受ける
32歳で亡くなるのだが、生涯農民として生き、画業も独学ながら高い評価を受ける
北海道の小規模農家の過酷な労働の日々も書かれているが、牧畜(牛馬)や豆類・馬鈴薯・ビートなどの畑作、牧草畠もあり、一年中農作業が絶え間ない><;
稲作のように農閑期がない
今はほとんど機械化されているが、日勝が無くなった昭和45年ごろはまだまだ人の手によるところが大きかったようだ
「室内風景」と題された日勝の絵には影が無く、真ん中の男が異様に見える・・・・・・と作者の感想から始まる
「馬」は未完に終わり、神田日勝の絶筆
とても興味深く読んだ、今度近くで展覧会が開かれるようなら、絶対見逃さずに見に行きたい!!
