高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

ウメビーフ 日野農産 原野さん訪問

2006-05-01 | 生産者訪問

 今回は、大阪で肉用牛を飼育されている原野さんを訪問しました。

 原野さんの飼育は、大阪府堺市。本当に都市の中での畜産。今回、訪問した時もその前を通り過ぎてしまったほど、違和感なく存在しています。(外観は、何かの工場みたい。) そして、入った瞬間に期待が高まりました。家畜の異臭がほとんどしない。きれいにされた牛の寝床や施設、エサなどが良質な証拠。これは、素晴らしい出会いかもと期待。

 原野さんの飼育する牛は、梅酒の漬け梅を食べさせて飼育する梅ビーフ。梅酒で有名なチョーヤの漬け梅をエサに混ぜて与えています。これは、都市型生産の特長である、リサイクル利用なのです。本来なら廃材となるおからや今回の梅などをうまく再利用して、畜産のエサにする。もちろん、廃材といっても人間が食べているものなので全く問題はない。資源的にも環境的にもとても有意義なつながりなのです。

060424_1421  原野さんは、和牛(日本古来の食肉用牛の種類で、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類)の生後90日程の子牛を飼い付けて、その後約30ヶ月(約600キロ強)飼育して育てます。エサは、毎日朝・晩の2回、子牛の時にはまず丈夫な牛を育てるまでに胃を強くするエサの与え方、そしてある程度成長すると高カロリーのエサに切り替えて発育を促すそうです。このように時季のよって与えるエサを変えることで、より健康的な牛が育つそうです。ちなみに、子牛の時は、乾草や藁を中心に、その後はビールかすやおから、小麦やとうもろこしの圧片を食べさせているそうです。

 まだ、科学的には漬けウメによって、具体的にどのような効果があるのかはっきり分かってはいないそうです。ウメのクエン酸や食物繊維の整腸高価効果。他にも、昔から牛のアルコールを飲ませてリラックスさせたりはすることはあったそうですし、このような複合的な効果が結果として、良質の肉質をもつ牛が育つそうです。この他にも、牛に与える水を、セラミックなどの特殊はろ過装置を通すことにより、腸内細菌を整え、高いレベルでの波動の効果が出ているそうです。

 実際に、ウメビーフのバラ肉を生で試食させて頂きました。バラなので、かなりの油の量なのですが、全然しつこくないし、お肉の臭みも全然無い。凄く上品な味がして、醤油につけなくても食べ続けることが出来るほど。かなり気に入りました。ただ、まだまだ流通量が少ないのが残念です。

 このように育てられているので、アトピーや通風の方が食べても平気な方もおられるそうです。原野さんの霜降りなどの見た目だけに囚われずに、高いレベルで味や健康を追求していく。他府県の畜産関係の人を納得させるくらい、美味しい牛を育てるという思いがひしひしと伝わる訪問でした。

 また、一つこのような新たな発見に出会えたことに感謝。

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