高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

イタリアン 片岡護料理講習会

2006-05-01 | 料理日記

 先日、全国的も有名で、日本でのイタリア料理の草分け的存在 アルポルトの片岡護シェフの料理講習会が大阪で行われたので、参加してきました。

 今回は、パスタが5品とサラダ・肉料理と魚料理、それにデザートが各一品ずつ。私自身は和食なのですが、野菜をどのように扱うのか、食材に対してどのようにアプローチするのかとても興味深く拝見させて頂きました。

 これは、私も料理の講師をさせて頂くことがあるのでわかりますが、普段と違う厨房で作業をするのはかなり大変なのですよね。しかも、少量ずつとはいえ30数名の試食用の分量を一度に作る事は普段はないでしょうから。

 率直な感想を言うと、魚料理・肉料理は絶品という感じではありませんでした。フランス料理店で働くようになって、実感したことはソースの旨み。イタリアンは比較的シンプルに仕上げるのですが、フレンチのソースはかなり旨み成分が凝縮されています。この旨みの濃さは、和食にも無いですね。課題ですね。

 ただ、流石にパスタなどはどれも美味しかったですよ。旬の食材をうまく取り入れた料理でした。今回の講習の中から2品、ご紹介します。

060425_151000  活生たこと根菜のサラダー活たこは、掃除した後にサッとボイルして、薄切りにします。姫人参や蕪は、一口大に切ります。オリーブオイルとパセリ、レモン汁・バルサミコ、塩・胡椒等でドレッシングを作り、 和えて出来上がり。見た目も華やかで、食欲をそそります。こういう一品が和食の中にあっても良いのではないかと思います。

 060425_1516 春野菜のパスター大蒜、鷹の爪・アンチョビをオリーブオイルで炒めて、白ワイン・アサリの茹で汁を加える。そこにパスタ・茹でた春野菜・仕上げに白魚を加え、柚子胡椒・塩・胡椒・パセリを加えて仕上げる。盛り付けの時に、からすみ・からすみパウダー・揚げ大蒜を盛り付けて出来上がり。これも旬の食材、しかも日本の調味料をうまく取り入れた一品でした。

 片岡シェフへの質問の時間があったので、料理を考える時に大切にしていることは何ですか?と訪ねて見ました。

 片岡シェフ 「自分で考えるだけでは、限界がある。人の料理を食べること。それを自分に貯金していく。それが時間を経て、自然と自分の中で消化されて、アイデアとして出てきます。食べ重ねが大切。」

 「他のジャンルの料理を取り込む時には、例えば天婦羅なら肉のガルニに使うとか、たらの芽に詰め物をして使う。日本料理のように、各地のある良い食材を積極的に使っていく。」

 およそ、3時間。充実した時間を過ごす事が出来ました。料理方法もそうなのだけれど、常に貪欲に吸収するトップシェフの姿勢がとても印象的でした。

 今回、この講習を開催してくださったトーホーという会社は、流通の会社では珍しく、環境保全活動に積極的に取り組まれている会社です。私が知っている神戸で活動されている方も、トーホーさんの協力を頂いているそうです。消費と流通、自然はすごくバランスの取りづらいものであるけれど、このような活動を行っている会社はとても素敵だと思います。

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2 コメント

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こんばんは。 (koji)
2006-05-03 21:23:11
こんばんは。
名店アルポルトの片岡シェフの講習なんてとてもおもしろそうですね。
私もまだまだ料理人としては半人前にもいきませんが、いつまでも料理の勉強をしていけるような姿勢を保とうと思います。
最近はジャンルを越えて様々な料理がコラボレーションしていますが、本質は守りたいですね。
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 いろいろと刺激を受けることは (森田 龍彦)
2006-05-04 13:27:35
 いろいろと刺激を受けることは
楽しいですよね。
 私が一番大切にしたいと思うのは、
その食材を活かしきることなのです。
 
 簡単そうで、難しいのです。
いろいろと欲張ってしまうので。
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