沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対するオール沖縄会議は11日、「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める県民大会」を那覇市の奥武山陸上競技場で開いた。主催者発表で約7万人が参加し、日米両政府へ新基地建設計画の白紙撤回を求めた。冒頭、8日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった翁長雄志知事へ黙とうをささげ、追悼した。

メッセージボードを掲げ「辺野古新基地建設断念」を訴える県民大会参加者=11日、那覇市・奥武山陸上競技場(下地広也撮影)

 翁長氏の次男で那覇市議の雄治氏は療養中の知事に関し「どうしたら辺野古新基地を止められるか、病室のベッドでも資料を読みあさり頑張っていた」と紹介。「沖縄は試練の連続だが、ウチナーンチュが心を一つにして闘うとき、想像よりはるかに大きな力になると何度も何度も言われてきた」と生前の知事の発言を明かした。

 知事職務代理者の謝花喜一郎副知事は、入院中も翁長氏が埋め立て承認撤回に強い決意を持っていたことを説明した上で「撤回は聴聞の審理状況を踏まえ、翁長氏の辺野古新基地をつくらせないとの強く熱い思いを受け止め、毅然(きぜん)と判断する」と決意を示した。大会後、記者団の取材に応じ「聴聞の報告書を読み、しっかり判断したい」と時期は明示しなかった。

 大会では辺野古新基地建設の断念や、普天間飛行場の即時閉鎖と撤去を要求する決議を採択した。

 雨が降る中、市民らは辺野古の海の色を象徴する青色の帽子やタオルなどのほか、追悼の意を込め黒い服を身に着けて参加。壇上の最前列中央には知事の席が用意され、椅子の上に知事が大会で着用する予定だった青色の帽子が置かれた。

 開催地の城間幹子市長や、政策集団「新しい風・にぬふぁぶし」、金秀グループの代表もあいさつした。

 新基地建設反対を訴える集会は北海道や東京、大阪、福岡など全国各地で広がった