狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

集団自決の証言者、金城重明氏死去

2022-07-24 06:04:18 | ★改定版集団自決

 

 

 

←クリック拡大

沖縄タイムス+プラス ニュース

金城重明さん死去 93歳 沖縄戦の「集団自決」証言 元沖縄キリスト教短期大学学長 平和活動に尽力

2022年7月24日 09:10

 沖縄戦中、渡嘉敷島で起きた「集団自決(強制集団死)」を生き残り、体験を証言した金城重明(きんじょう・しげあき)さんが19日午前10時18分、急性心不全のため、那覇市内の病院で亡くなった。93歳。渡嘉敷村阿波連出身。葬儀は23日、日本キリスト教団首里教会で関係者のみで執り行われた。喪主は妻の恵美子(えみこ)さん。

 1945年3月、当時16歳だった金城さんと兄は母と弟、妹を手にかけた。88年2月、国の教科書検定の違憲性を問う「第三次家永教科書訴訟」の沖縄出張法廷で「集団自決」の体験を証言。「愛する母と幼い弟妹を『鬼畜米英』に渡すより自分の手で殺すことがせめてもの愛情。号泣しながら手をかけ、死に至らしめた」と体験を語った。

 岩波書店発行の「沖縄ノート」(大江健三郎著)などで、旧日本軍の元戦隊長らが「集団自決」は「軍命」とあるのは名誉毀損(きそん)と訴えた「『集団自決』訴訟」では、2007年9月、那覇で開かれた出張法廷で体験を証言した。沖縄キリスト教短期大学名誉教授。学長を務め、講演などで平和活動に尽力した。著書に「『集団自決』を心に刻んで」など。(社会部・當銘悠)

 

 

沖縄タイムス紙面掲載記事

「沖縄戦の真実伝えた」 金城さん死去 関係者らしのぶ

2022年7月24日 

 渡嘉敷島で起きた「集団自決(強制集団死)」を生き残った金城重明さん(93)が19日、亡くなった。体験の重みを背負いながら語り、平和を訴え続けた。活動を共にした人たちは「戦争の真実を伝えてくださった」と生前をしのんだ。

(1面参照)

 家永教科書裁判支援全国連のメンバーだった村上有慶さん(72)は「(家族を手にかけた)『加害』の証言は本当に苦しいものだったと思う」。話しづらそうにとつとつと体験を語る金城さんの姿を覚えている。

 1988年、法廷での金城さんの証言を振り返り、「あの証言があったから、他の人も親族間での『集団自決』の証言をしてくださるようになった」と話した。

 歴史教育者協議会元委員長の石山久男さん(86)は「亡くなられたのは本当に残念」と声を落とした。2006年度の高校教科書検定で「集団自決」の軍の強制などが削除された教科書問題で「金城さんに『集団自決』の真実をしっかり伝えていただいたことはとても大きかった。金城さんのこれまでの証言や思いを私たちが何とか引き継いでいかなければ」と声を強めた。

 渡嘉敷島で「集団自決」を体験した吉川嘉勝さん(83)は「先生の行動に勇気付けられて自分も語る活動を始めた。思い出したくない記憶を語り始めた先生の勇気は、多くの人に戦争の真実を伝えた」と振り返る。

 祖父母や母が座間味島の「集団自決」で生き残った宮城晴美さんは、会うと優しく声をかけてくれた金城さんの姿を思い出す。「身を切り裂かれるような思いで体験を語ってくれた。どんなに大変だっただろう」と声を詰まらせた。(社会部・當銘悠)

(写図説明)「集団自決」訴訟の所在尋問で入廷する金城重明さん(中央)=2007年9月10日、那覇市

コメント (2)