快気分析

何か快適な気分になれるような記事にしたいです。

仕組みとアプローチ -  空地問題 何も無い高い大気空間は所詮「空気だけ」ですから放置しておいても荒れ果てません

2017-06-08 07:46:44 | 地震 津波
 地方、郊外の空洞化が激しいようで次のような記事が有りました。

引用開始(一部抜粋)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51836

内閣府が算出した「最悪のシナリオ」これが33年後の現実だ!
「人口8000万人」の日本で起きること

団地はもとより高級マンションもガラガラ。下水道、道路は壊れたまま。所得税だけで50%。救急車、パトカーを呼んでもすぐ来ない。年金は78歳から スナック、バー、レストランは半分潰れる。大学と予備校も次々潰れる。多くの先生が職を失うーー。
街がまるごと死んでいく

「大御所」徳川家康が天下統一後の晩年を過ごし、かつては日本で指折りの大都市だった静岡市。この古都が「人口激減」の衝撃に揺れている。
「市の人口は、ピークの時期には74万人近くいましたが、ここ20年は減り続けていて、今年4月の統計でついに70万人を割り込みました」
全国に20ある政令指定都市の中で、静岡市では最も急激に人口が減っている。危機感を募らせた市は、「人口減少対策推進本部」という専門の部署を設けた。解説するのは、同対策本部に籍を置く市の職員だ。
「目標は『2025年に人口70万人を維持』ですが、このままでは厳しい。静岡は東西へのアクセスがいい街です。これは善し悪しで、東京にも名古屋にもすぐ行けるぶん、出て行く人も多い。やはり若者は、進学や就職を機に、生まれ育った街を離れてしまうんです」
国立社会保障・人口問題研究所のまとめた予測によると、静岡市の人口は、2040年には現在の約70万人から2割も減って、56万人弱となる。現状維持どころか、静岡市は、政令指定都市の称号さえ、「剥奪」という憂き目に遭いかねない――。
もともと静岡市は、合併を繰り返して人口を増やしてきた自治体だ。その結果、日本の市の中で5番目の面積を誇るまでになった。つまり、政令指定都市と言っても大部分が「田舎」ということだ。
事実、記者が郊外に向かって車を走らせると、県庁所在地とは思えないほどに田畑の面積が増えてゆき、逆に住宅はまばらになってゆく。市の西部、用宗駅近くに住む60代男性は、縮んでゆく街と無策な行政へのいら立ちを吐露した。
「このへんは本当、何にもないんだよ。老人ばっかりだし、若者は出て行ったきり戻ってこないし、最近は空き家も多い。かといって、こんなところにわざわざ移り住んでくる奇特な人もいないし、企業が来るわけでもないから仕事だってない。

引用終了

 これは静岡市だけでは無いと言うよりも、数字で現れた人口減以外の面では静岡市よりももっと空洞化が悪化している所が国内には多いと考えています。
 以前にも記事にしましたが、成熟社会、人口減、少子高齢化の日本では大都市集中化、特に中高層建物が増えて行くのを野放しにすると「ストロー作用」で人口や資産、経済活動がそこへ吸い上げられ、地方や郊外などはその分空洞化する事になるケースが多いようです。
 では中高層建物が全て悪いのかと言うと、これも以前に書きましたように津波などでも周辺に逃げられるような場所がない所では有る程度の距離以内で点在した方がその周辺地域の不動産価値も下落をいくらかでも食い止められるかとは思いますが、現状では中高層建物がそうした必要な場所に無くて、必要ではない場所に無駄に多く有ったり、或いは無駄に高い建物だったりする、或いはそれが新設される、と言った状況のようです。
 これだけ空地、空家、空き建物の過剰感が顕著になって来た以上、日本全体では延べ床面積はもう増えないように規制をかける時なのかも知れません。
 現状の税制では既存の建物が仮に津波リスクの大きい所に有って、それを更地にして高台などに新築する所謂「移転」について、更地にした場合の固定資産税6倍と言う状況であり、東日本大震災であれだけの被害が発生した以上、そろそろ「移転」ならば増税にはならない、或いはやや減税、或いは移転補助の制度がより強化されても良いかと思われます。
 また、「平屋や低層階の建物だって中高層建物ほどでは無いにしても維持費はかかるではないか」と言う疑問も有るかもしれませんが、それは多くのケースでは錯覚かと思われます。
 本来は平屋や低層階で済む延べ床面積を、中高層にする、つまり「上空に展開する」とした場合、その分は空き宅地が増えてしまうため、その面積の部分の維持が更に追加で負担になります。
 平屋や低層階ならばより多い土地面積を必要とする為、その土地の維持負担は建物の維持負担で兼ねる事ができるわけで、それだけ低負担で済む。
 そして特に平屋の場合はこれから来る更なる高齢化社会で、階段の上り下りなどの負担がより少ないなど、メリットは多いかと思われます。
 「何も無い高い大気空間」は所詮「空気だけ」ですから放置しておいても「荒れ果てません」が、土地は放置していると「荒れ果ててしまいます」。
 現状では土地が余って来ているのに「放置しておいても荒れない高い場所の大気空間に、わざわざ維持に負担が発生する建築物が展開され、それが無駄に負担増になっている」、そしてそれが「働けど働けどそれに見合うリターンが得られないという状況の一要因にもなっている」、と言う所でしょうか。