武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ドローイング(作品紹介588)と 武内ヒロクニ展の搬入の様子

2021-02-08 16:02:53 | Weblog

こちらは、武内ヒロクニの個展にて、展示中。

一番、新しいもの。

クレヨンと鉛筆で描かれています。

 

4日の日に、ドローイングの作品を搬入にいきました。

展示の作業は、ギャラリーのスタッフを中心に補佐の役をしてきました。

↑すっかりお任せしています。

↑絵の感じをみながら、バランスを見て展示をして下さっています。

以前は、大体作品を一列に並べることが多かったと記憶していますが、

最近は、2段、3段とランダムに並べることが多くなり、

展示の仕方も随分変わったと感じます。

 

↑こちらのドローイングの作品もランダムに。仮止めの段階です。

ドローイングといっていますが、私は家ではメモと言っていました。

台所に貼られているもの、それも1箇所か、2箇所を画鋲で軽く止められていて、

ペラ―ンと貼られていて、紙が浮き上がったりしているものを毎日見ています。

それが、画廊の壁に貼られていくと、ただの紙切れが、作品として鑑賞しやすくなるので、

改めて絵を見ることになり、ギャラリーという場所の空間の必要性を感じた次第です。

↑ドローイングの作品群の左側の部分になります。

やや左中央の「人の顔と黒のふちにピンク色」で描かれた作品は、

以前のブログにて、顔のようなものとピンクの池の間にある鉛筆で描かれた部分の所を、

「この感じが何ともいい感じでたまりません。」と書いたと思うのですが、

長年、武内の絵をコレクションして下さっているが、この絵を選ばれて、

「あの部分がええのや。」と、おっしゃり、私と同じ感覚を話されたので、

「同じなんです。やっぱりそうですか?」

「私も絵を見る力が少し肥えたかしら?」と、言い、

何度も「私も、同じこと思っているのです。」と、相槌を求めました。

そこから、そのコレクターの方は、問答に入って、

「この絵には、悟りに近いものがある。近いということだけど。」と言われる。

えっ?と思い、近頃の武内の言動で、?????と思った言葉を思いだした。

「何かに導かれて、やっているだけ。身をゆだねている。」と言いながら、アトリエへ行ったことがある。

?????と、不思議な感じで聞いていました。

このドローイングの類には、そんな武内の胸中もありそうです。

描いた当人は、肩凝って、疲れ果てている毎日で、時々、すごく寝ます。

 

このコレクターの方とは、いつも問答のようになり、今回は、

「人は死を恐れたらあかん。」と言われ、

「死を恐れるのは、悟りというか、人としての精神性から遠ざかっていく。」とも言われた。

すると、浮かんできた情景が・・・・。

武内が手術室に行く時、廊下で、大声で「殺さないでくれ~~!!」と叫び、

看護婦さんに「俺の手を握っていてくれないか!」と懇願していた姿がありありと浮かんだ。

もう、廊下に響き渡った声と、ガタガタと音を立てながら動いているベッドと廊下の幅まで浮かぶ。

私は、夢を見ているのか?と思うほどの、声の大きさに驚いていた。

この情景が、脳裏を駆け巡り、

「先生、武内は死を恐れていると思うけど・・・・。」と言う。

「そう?それならまだまだ生きると思うよ。」と締めくくられた。

 

まだ、病院での話は、続きがあって、

その手を握って下さっていた看護婦さんは、手術後、私のところへ来て、

「こんな患者さんは、初めて・・・・。私、手をずっと握り締めていました。

こんな経験初めてでした。こんなに頼りにされるって、看護婦としてやりがいを感じました。」と。

少し興奮ぎみに話されていて、なんとなく顔も紅潮していた。

「ありがとうございます。そう言って頂けたら私も肩の荷がおります。

ありがとうございます。助かりました。」と、何度もお礼を言った。

私は迷惑していないか、どうかが気になっていたので、心からホッとしました。

本当は、私が主人に優しくならないといけないのでしょうね。

しかし、病院に入院すると、我儘の限りを尽くすので、優しくするゆとりないのです。

見張るだけで、精一杯でした。

主治医から、頼まれていたりするからねぇ~。

「奥さん。見張ってて下さい。。

奥さん。食べ物を取り上げておいて下さい。

奥さん。(思い出したように)お金も取り上げておいて・・・、勝手に買い食いされたら困るから。」と、

言われていたりして・・ます。

いつも、ナースステーションの横の部屋にしか、案内されない武内なんです。

いつも、同じ部屋になるのです。(問題児の指定席なんですって・・・)

話が脱線しました。

死の話から、入院中の武内の話になってしまいました。

私にとっては、強烈な思い出なのです。

 

あと見て懐かしい作品もありました。

↑ギャラリー島田で所蔵されてる作品です。

細かい色鉛筆画を描かれた頃と同時代。1995年作ぐらいの作品。

 

↑こちらもギャラリー島田所蔵の作品。

道路沿いの海、そして街の絵です。

鉛筆のみで描かれた絵ですが、この作品は1999年ぐらいのものでは?

芯が硬くて薄いトーンの鉛筆を駆使して描かれています。

6Bは部分で使用している作品です。

久しぶりに鑑賞出来て、こちらも懐かしい。

 

緊急事態宣言の中の個展なので、やはり来客は少ない。

ギャラリー島田での、ネット・ミュージアムは、9日(火)になると聞きました。

どんな風なのか分からないので、私も楽しみにしています。

会場:B1F un
会期:2021年2月6日(土)-2月17日(水)
11:00-18:00  ※最終日は16:00まで

ギャラリー島田のHP→http://gallery-shimada.com/

住所:神戸市中央区山本通2-4-24リランズゲートB1F・1F

TEL&FAX 078-262-8058 

メールアドレス:info@gallery-shimada.com

 

以上ですが、よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ともりん)
2021-02-10 23:14:30
展示方法も時流で変わるのですね。
ランダムに並べると、壁すべてが作品のようになって面白いと思いました。同じ作品でも並べ方で感じ方が変わりそうです。
でも、これは並べる方の感覚が重要で、並べる係の責任者はなかなかに大変そうです。
ドローイングは、このランダムな並べ方のまま配置して一枚の作品とすると素敵かも!と、ふと思いました。
いつまでもずーっと見て、色々なことを想像したり考えたり、わくわくします。
さほりんがいつも見ているご自宅の中の風景はこんな感じなのでしょうか。

死について、自分なりに考えたり問答したりしますが、やはりその事実に直面すると現実の強烈さに打ちひしがれます。
叫ぶことができるのは、すばらしいことかも、と思いました。
自分の感情に正直になれることと、叫ぶことでやり場のない感情を放出することができるのでは、と思ったからです。
この病院でのお話を読んだときに、作品「風が吹く」を思い出しました。このように叫べて自由にできないと、この作品は描けないと思いました。
とはいえ、さほりんのご苦労は(いつもながらですが)計り知れません……。

オンラインミュージアム、訪問して楽しませていただきました。
画廊を訪問することに躊躇している方たちにも作品に触れていただける機会が増える、面白い展示だと思いました。
もちろん、生で実物の作品を観るのとは雲泥の差がありますが、「画廊」はかなりハードルが高くてなかなか訪問できません。
私も初めて訪問したときは、それこそ清水の舞台から飛び降りる気持ちで入り口をくぐったことを思い出しました。
オンラインミュージアムで「これ素敵!」と思ったのは、「PAPER HOUSE」と二つの「故郷」で、3作品共に私が購入させていただいた作品と同じシリーズでした。
よっぽど、これらのシリーズが好きなのだなあ、とちょっと笑ってしまいました。
そして、「浜辺で」がすてきだと思いました。周りの空間と四角を作っているさまざまな線がとても好きです。
中央の水色の中の3本の黒い線に惹かれます。

コロナ禍の今、画廊に行くことはなかなか難しいですが、オンラインでの鑑賞は思った以上の楽しさでした。
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オンライン・ミュージアム体験の報告ありがとう! (さほりん)
2021-02-11 17:55:42
オンライン・ミュージアムを拝見して下さりありがとうございます。
いつも励まされています。
展示の仕方は、以前は必ず目線を意識して、上でもなく、下でもなく並べていて、見え難くなる所へは、ご法度のようになっていました。今は、自由になり、絵を多く展示する時は、このような感じも自然に受け入れられるように。家は狭いので、無造作に空いている所にヒロクニさんは貼ります。台所にピンクに塗られた板があるので、そこに貼ることが多い。一番、私が見るのは、ここになります。あと、トイレにも絵が一杯貼ってあります。

ここに登場するコレクターの方は、言葉は多くないのですが、大きな疑問や、うぅ~む!となることを投げかける方。私に。ヒロクニさんとは、違う話をしますがね。私を鍛えてくれる方です。
死については、病気をした時ちょっと考えたことがありますが、私の場合「私が、この世に、現実から消えてしまうのが、許せない。虚しい。寂しい。」でした。恐怖より、虚しさの方が強かったです。
ヒロクニさんは、感情はストレートで、周りに訴えるタイプで赤裸々です。恥ずかしいという感情を超えて一足飛びに訴えます。私は、恥ずかしく思ってしまいますが、今回の看護婦さんのように、受け取ってくれる方がいるのが新鮮だったのですよ。恥ずかしいと思う私の方は、小心者なんでしょうね。ともりんも、それを感じてる?私も器の大きな人になれればいいのですが、なかなかです。意外と単純でストレートなところがあるヒロクニさんです。

初めて、東京の個展で会った時、よく覚えています。緊張して、来られていましたよね。「たいしたことない私達に緊張に緊張するなんて・・・。」と、思っていました。
気を楽にしてもらおうと思いました。すぐ、ほぐれたかしら?画廊に入るのは、慣れてしまえばどうということはないのですが、チロッと見られたりしたら、ちょっと構えてしまいますよね。何を隠そう私もそうでした。どこの画廊でも、堂々と見ていたらいいと思います。陰険な感じがするところもたまにありますが、(私の体験で)そういう所は変だと思います。

オンライン・ミュージアムで見るのも楽しかったのこと、とても嬉しく思いました。画像で並んでいるから、見比べ易かったのですね。好きな傾向がはっきりしているなんて!発見です。「浜辺で」という作品は、私は、この絵見る度に不思議な絵だなぁ~と同じことを思います。上品な雰囲気が不思議なのです。

いろんな感想をありがとうございます。
ヒロクニさんに報告します。

ヒロクニさんは、ともりんが読んだというジョルジュ・サンドの「愛の妖精」を読んだことがないらしく、今読書中です。

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