アデレード(ルピタ・ニョンゴ)は、夫(ウィンスト・デューク)と娘と息子と共に夏休みを過ごすため、幼い頃に住んでいたカリフォルニアの家を訪れる。だが、不気味な偶然の出来事に見舞われ、過去のトラウマがフラッシュバックするように。やがて、自分たちとそっくりな“私たち=アス”がやってくる。
監督・脚本のジョーダン・ピールが、前作『ゲット・アウト』(17)同様、今回も、ドッペルゲンガーか、はたまたもう一人の自分に体を乗っ取られるジャック・フィニイの『盗まれた街』(ボディスナッチャー)か、という突飛なアイデアのホラーの中に、皮肉とブラックユーモアを入れ込んでいる。昔のテレビドラマ、ロッド・サーリングの『ミステリーゾーン=トワイライトゾーン』のような、味わいがある。
互いがそっくりな黒人家族。貧しい者が豊かな者を襲いに来る。そして血で血を洗うような闘いが繰り広げられる、という悪夢には、昔とは違った形で広がりを見せる貧富の差や、移民の問題が内包されているのだろう。
ラストのどんでん返しは、なるほどそうくるか、という感じだが、勘のいい人は驚かないかもしれない。